車のリース料に落とし穴(その9)


リースしていた車を返却し、リース料を払い過ぎてしまったので返金を要求しているが、リース会社とディーラーの間でたらい回しにされている件は、いよいよ最終章を迎えた。

リース会社の担当者と電話で話したら、実は払い過ぎの分はごくわずかなものだったことが判明したが、きちんと計算書を作って送ってほしいと頼んだら、できないと言う。

電話での説明だけでは納得がいかないと伝えると、さらに説明できる者に代わると言われ、しばらく待たされた。

責任者らしい男性が電話に出てきた。一応担当から話は聞いたが、何か再度言いたいことはあるかと言うので、最大の問題は、最終的な計算書が送られて来ていないことにあると伝えた。

毎月の請求額と支払額に差額があったのは確かなのだから、それがどのように発生して、どのように処理されたのかを含めて、最終的な計算書を送って欲しいと伝えた。

責任者は前の担当者と同様、差額はわずかなものだと言ってきた。そんなわずかな金額を問題にするのかと言わんばかりのニュアンスだ。

さらに、最後の請求書は銀行口座の登録が突然解除されたために、引き落としができなくて未払いになっていたのを、取り消しにしてあげたではないかとまで言い出した。まるで、最後の支払いは免除してやったのだから、本来ならまだ未払金があると言いたそうだ。

これには心当たりがあった。リース料を全部払い終えて、リース期間が終了した後も、同じ請求額で請求書が出ていた。払い過ぎに気づいてカスタマーサービスに電話したときに、銀行口座の自動引き落としを解除する手続きをしてもらったので引き落とされずに済み、その請求は最終的に取り消されたという経緯がある。

責任者はその経緯を知らないようだ。「そんなことを言うなら、支払い回数を数えてみなさい」と穏やかに伝えた。責任者は、おそらく数えたわけではないだろうが、「3年リースだから36回」と答えた。

「そのとおり、36回支払っているでしょ。最後の請求書はその36回目の支払いが済んだ後に発行されたものだから、もともと余計な請求だったわけでしょ」と優しく伝えた。

すると、「本件についてはディーラーが買取金額を支払った時点ですべて精算が済んでいるので、返金すべきものはない」と、webサイトで問い合わせたときと同じ回答をしてきた。

「買取金額って何のことか。車は単に返却しただけで、買取はしていないし、買取についてディーラーと話をしたこともない。もしディーラーが買い取ったとしても、それはこちらには関わりのない話だ」と伝えた。

「本当に買取に関する書類を受け取っていないのか」と聞くので、「受け取った書類は車の名義変更に必要だと言われてサインした書類だけだ」と答えた。

少し待たされた。別に相談する相手がいるらしい。しばらくして、「今上司の承認を取ったので最終的な差額を返金する。発送まで2営業日みてほしい」と言ってきた。

こちらとしては、最終的には計算書を送ってくれるよう頼んでいたもので、ごくわずかな金額なら返金してもらわなくてもいいくらいだったが、どうしても返金したいと言うのなら、受け取ってやってもいい。そういう心の声は出さずに留め置いた。

ついに一件落着という雰囲気となり、一旦は安心したが、それから1週間以上経つというのに、まだ返金も計算書も来ない。