新しいオンデマンド公共交通


シリコンバレーに新しいオンデマンド公共交通が登場する。

オンデマンド公共交通ソリューションを提供する「Via」は、Appleの本拠地であるカリフォルニア州クパチーノ市と提携し、同市で新しい交通サービスを10月29日に開始する。

Viaのホームページより

モバイルアプリを使ってスマホやタブレットで呼ぶことのできる相乗り型のシャトルバスを運行するというもの。

アプリで現在地と行き先を指定して車を呼ぶと、アルゴリズムで分析して最適な車両とルートを選定し、乗客の乗降場所が指定される。平均5分で車がやって来てピックアップしてくれるという仕組み。

車両の運行管理のため、Avis Budget Groupとも提携した。当初は6台のメルセデスバンを運行するが、行く行くは10台体制とする。1台につきドライバーの他に6人が乗車できる。

市ではこのサービスを路線バスに取って代わる次世代公共交通サービスと位置付けている。客がいようといまいと定期的に一定のルートを走る路線バスに比べてはるかに効率が良く、利用者の利便性も向上する。

さらに自家用車の使用を減らすことで交通混雑の緩和や大気汚染の改善にも資するなど、期待できるメリットは大きい。

運賃は1回につき5ドル、1週間パスは17ドル、1か月パスは60ドル。月曜日から金曜日までは午前6時から午後8時まで、土曜日は午前9時から午後5時まで営業する。

1回につき5ドルという運賃は路線バス(1回につき2.50ドル)よりは高いが、Uberなどのライドシェア型配車サービスよりは安い。1か月パスにすれば路線バス(1か月90ドル)よりも安くなる。

クパチーノ市の全域と鉄道(CalTrain)のサニーベール駅を中心とした地域「サテライトゾーン」をカバーする。鉄道を利用するクパチーノ市の住民や同市に勤務先がある人たちにとっては便利な環境となる。

ただし、Appleは社員用に無料バスを運行しているので、Appleの社員にとっては無用のサービスになるかもしれない。