AMCがVODサービスを開始


世界最大の映画館チェーン「AMC」がオンデマンドのビデオストリーミングサービスを開始した。

AMCのホームページより

AMCは10月15日、ビデオオンデマンド(VOD)で映画を配信するサービス「AMC Theaters On Demand」を開始した。映画館チェーンとしては初めてとなる。

VODが普及すると映画館に行く人が減る可能性があるという意味では、VODは映画館とは競合するサービスとなるが、映画館チェーンがあえてこの分野に参入したというのは特筆に値する。

映画館で上映されてから60-90日経ってからVODで配信することで、映画館のメリットも残しながら、家にいながらにして映画が鑑賞できるという新たな利便性を提供してユーザの確保を図る。

このサービスを利用するにはAMCの会員制度「AMC Stubs」の会員になる必要がある。会員になっても会費は特にかからない。個々のコンテンツを視聴する都度課金されるシステム。

市場には既に多数のVODサービスが存在するが、映画館チェーンのAMCとしては、2,000万世帯以上の会員の映画鑑賞に関するデータを持っているので、これをもとにユーザに的確なレコメンドをしたりターゲット広告をしたりできるのが強み。

当初、約2,000本の映画コンテンツを用意する。個々のコンテンツは「レンタル」(3ドルから5.99ドル)または「購入」(9.99ドルから19.99ドル)が選択できる。

レンタルは30日以内に視聴を開始する必要があり、一旦視聴を開始したら48時間以内であれば何回でも視聴できる。購入は視聴期限がなく、いつでも何回でも視聴できる。

会員になるとVODサービスや映画館での利用金額に応じてポイントが貯まる。1ドル支払うごとに20ポイントが獲得できる。

貯まったポイントは今のところVODサービスには使えないが、ある程度貯めると映画館での支払いなどに充当できる「リワード」に転換することができる。

すなわち、VODサービスの利用を促進することで、映画館の利用も促進できるというわけだ。