AT&TのLTEはVerizonのLTEより速い?


The Vergeのフォーラムで、AT&TのLTEとVerizonのLTEはどちらが優れているのか、という質問が投稿された。

投稿者によれば、多くの人がAT&TのGSM/LTEの方がVerizonのCDMA/LTEよりもいいと言っているのだが、なぜいいのかを説明できる人がいない。本当にGSM/LTEの方がCDMA/LTEよりもいいのかどうか、AT&TのLTEとVerizonのLTEの違いや優劣を技術的観点から知りたいとのこと。

(なお、ここで言うGSM/LTEやCDMA/LTEは、LTEにそういう種類があるというのではなく、GSMとLTEを組み合わせて使うか、CDMAとLTEを組み合わせて使うかという意味と思われる。)

これに対して、回答の投稿がいくつか寄せられている。

■ 限られた知識ではあるが、AT&TのLTEの方が速いが、カバレッジはVerizonのLTEにははるかに及ばないと理解している。今までにVerizonで最高23Mbps出たことがあったが、AT&Tではそんなに出たことはない。私の地域のAT&Tはまだ3Gにもなっていないから。

■ GSM対CDMAという議論でさらに言えば、GSMは世界標準の技術でCDMAより速い。どちらがいいかという議論は、LTEが出る前の状況に遡り、AT&Tの方が速いが、Verizonの方がカバレッジは大きいということになる。Verizonの方がAT&TよりもLTEでは先行しているが、信頼性がやや劣る(障害が連続して起こった)。個人的にはAT&Tを使う。障害時の代替手段がHSPA+(5-10Mbps)の方がCDMA(0.5-2Mbps)よりもいいから。AT&Tの新しいNexusを買ったら今使っているSprintを捨てる。私の地域ではAT&Tの方がVerizonよりもサービスはいい。西海岸は一般的にVerizonが支配的と理解している。ニューヨーク州バッファローではVerizonが王様だ。LTEのカバレッジから出ないのであればVerizonに変えるのもいいだろうが、LTEのエリア外に出たときは3Gの速度は妥協せざるをえないことを覚悟する必要がある。

■ Verizonはカバレッジがいい。LTEの提供都市が多い。AT&Tは速度が速い。ただしLTEは大都市でしか使えない。GSMとCDMAの速度が違うのはなぜかという質問なら、わからない。

■ GSMは各世代ごとにゼロから出発するが、CDMAの各世代は前のバージョンをアップグレードすることで開発されている。GSMは旧バージョンの技術的制約を受けずに済むというメリットはあるが、旧バージョンのネットワークとは別に新バージョンのネットワークを構築しないといけない。CDMAのアップグレードはそれと対照的に、既存のネットワークからの新技術への移行が容易であるというメリットがある。AT&Tの方が狭くて速く、Verizonの方が広くて遅いという理由はここにある。

■ EDGEは1xRTTより速く、HSPAはEV-DOより速い。さまざまなテストで、VerizonのLTEはAT&TのLTEより遅いという結果が出ている。AT&Tのネットワークを狭いと言うのは正しくない。3Gに関しては上記の技術的・論理的理由によりAT&TのカバレッジがVerizonよりも少ないということ、4G LTEに関しては、構築開始が遅れたこととHSPAネットワークの同時改修が必要だったこと(Verizonはひとつの新しいネットワーク構築に専念すればよかったのに対し、AT&Tは新しいネットワークの構築と既存ネットワークの改修を同時に進めなければならなかったこと)により、AT&TのカバレッジがVerizonよりも少ないということだ。

投稿はまだまだ続くがこの位にしておくとして、ネットワークの技術の違い(たとえば2G、3G、4G/LTE)からくる速度の違いはどうしようもないが、同じ技術(LTE)同士で比べるのなら、どちらが速いかは測定場所の諸条件で大きく変わってくる。速さといっても、ダウンロードかアップロードかによって違うこともある。実際にVerizonの方が速かったというテスト結果も多数出ている。

よってたまたま実施したテスト結果などはあまり当てにはならないが、上記の投稿者の傾向を見る限りではAT&TのLTEの方がVerizonよりも速いと思っている人が多いようだ。AT&Tは今までHSPA+の「4G」の速さを大々的に宣伝してきたので、そのイメージがかなり浸透しているのではないだろうか。

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