T-Mobile/Sprintの合併危うしとの見方


T-MobileとSprintの合併はおそらく認められないだろうとの見方が広がっている。

T-MobileとSprintの合併に反対する13州とワシントンDCの司法長官が起こした裁判が12月9日から始まっているが、今のところの感触としては、合併は認められないだろうとの見方が強まっている。

Light Readingによれば、調査会社Cowenのアナリストたちは、これまで10日間にわたり双方の主張や証人の証言や証拠や判事の質問などを見聞きした結果、州側が勝訴しそうだとの結論を下した。

裁判の中では、なぜ合併を認めるべきなのか、あるいは認めるべきではないのかについて、双方がさまざまな主張を展開しているが、どうも州側の主張が強いようだ。

たとえば、T-Mobile側は、Sprintは小さいのでこのままでは生き残れないと主張するが、DishがSprintからBoost Mobileを取得して第4のキャリアとなり、4年後に人口の70%をカバーしたとしても、現状のSprintよりもはるかに小さいこととなるので、Dishが第4のキャリアとして生き残れるのかが怪しいこととなる。

また、州側は、現状の4社でさえかなり市場の集中化が激しいのに、これが3社になるとますます集中化が激しくなって競争が阻害され、料金が値上がりし、消費者が不利益を被ると主張する。

これに対してT-Mobile側は、現状は4社以外にMVNOもあり、競争相手は多数存在すると主張するが、この主張は判事には受け入れられなかった。MVNOはキャリア(MNO)のネットワークを利用しているので、キャリアの競争相手にはならないと判断されたようだ。

さらに、政治的な要素も州側に加勢している。連邦地裁のマレロ判事が民主党だということだ。この裁判を起こしている州の司法長官はすべて民主党だ。この合併の是非をめぐる戦いは、いわば合併を推進しようとする共和党と合併を阻止しようとする民主党の戦い。それを裁く判事が民主党という構図だ。

このようなわけで、今のところ州側が強いとの感触だそうだが、果たしてどうなることやら。

判決は2月中に出ると見られる。