WalmartがVerizonの5G導入を急ぐ理由


小売最大手のWalmartが店舗にVerizonの5Gを導入しようとしている。

Walmartの店舗にVerizonが5G用のアンテナや設備を設置してモバイル5Gサービスをテストする方向で両社が協議中であると、The Wall Street Journalが報じた。

とりあえず今年中に2店舗に導入する。その目的はWalmartが買い物客や従業員向けに提供を予定している新しいデジタル医療サービスをサポートすること。すなわち患者の健康管理や遠隔診療に5Gを活用するというものらしい。

小売店が5Gを導入するからには、買い物客向けにショッピングのサポートやモバイル決済などの機能を提供したり、お店側が在庫管理や店内監視などのために使うのだろうと思いきや、何と医療サービスが主目的とは驚きだ。

Walmartは昨年、ジョージア州の2店舗内にクリニックを開設しているので、おそらくその2店舗に5Gを導入してテストし、順調に進めば全米の4,700店にも拡大する可能性があると見られる。

Walmartの店舗が食料品や衣服や日用雑貨などを購入するだけでなく、医療サービスを受ける場所として中心的な存在になるかもしれない。

しかし、5Gはまだカバレッジも狭く、対応端末も少ない。5Gの導入を進めるのは時期尚早ではないかと思えなくもない。

PhoneArenaによれば、これは時期尚早どころかグッドタイミングだ。2月の投資家向け会合でWalmartのダグ・マクミロンCEOは、「ヘルスケアが大きなビジネスチャンスだ」と述べた。

Walmartは十分な医療サービスが受けられない人々のために低コストのヘルスケアを提供することを目標の一つに掲げた。これは大統領選の争点にもなる重要な問題であり、極めて大きな社会的使命を担うことになる。

そんな中、新型コロナウイルスの感染拡大が米国にとっても脅威となってきた。これはWalmartの計画の実施を急がなければならない事態ではないか、と同誌は示唆している。