T-Mobileは、4月1日、Sprintとの合併手続きを完了したと発表した。
苦節2年の末、ついに「新生T-Mobile」が誕生した。同日、T-MobileのCEOだったジョン・レジャー氏は予定よりひと月早く退き、COOだったマイク・シーバート氏がCEOに就任した。
ところでこの合併に関しては、カリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)の承認はまだ得られていない。
カリフォルニア州の司法長官は3月11日に条件付きで合併を認めることで両社と和解し、合併反対訴訟について上訴を取り止めた。これを受けて同日CPUCは、条件付きで合併を承認する提案を発出し、20日間のコメント募集を経て4月16日に決定することとしている。
おそらく承認されるのではないかと思われるが、まだ承認されていないのだから、現時点で「新生T-Mobile」が州内で営業するのは問題があるのではないか。
これについて、T-Mobile/Sprintは、以下のような理由で問題ないとの立場をとっている。
両社の主張によれば、合併に関して州の承認が必要なのは固定通信の基本サービス(電話サービス)についてのみであり、携帯電話サービスについてはFCCの管轄で、FCCは既に合併を承認しているので問題ない。
固定電話サービスについては、Sprintが持っていたTDMベースのネットワークはすべてVoIPに移行しており、IP電話サービス事業者としての登録をしている。IP電話サービスはインターネットサービスと同様に「情報サービス」に分類され、規制の対象外なので州の承認は必要ない。
このような理由から、T-Mobile/Sprintは3月30日、既に提出していた州への承認申請を取り消す申請をした。
さらに3月31日には、T-Mobileのマイク・シーバートCOO名で「悪いけどこれ以上待てないので4月1日に合併を完了させてもらうよ」との趣旨の書簡をCPUCに送っている。
会計・財務報告上の必要性等から4月1日に合併を完了することが極めて需要で、今なら銀行も短期のつなぎ融資をしてくれるが、このご時世なので少しでも遅れるとどうなるかわからず、合併が不可能になるかもしれない、などとも説明している。
果たしてCPUCの反応や如何に。