Verizonが上りの5Gを開始


Verizonは上り回線の5Gを開始したと発表した。

これまで「5G、5G」と騒いでいたのは、実は下り回線のことだった。Verizonの5Gサービスでは(AT&TやT-Mobileも同じだが)、これまで下り回線は5Gだったが上り回線は4G LTEを使っていた。

新型コロナの影響でビデオ会議の利用が増えるなど、上り回線のトラフィックが増加していることを考慮し、Verizonは5月20日、5Gサービスの上り回線を5Gに切り替えたと発表した。

既にVerizonのモバイル5Gサービス「5G Ultra Wideband」を提供している34都市とシカゴの固定5Gサービス「5G Home」の提供地域とVerizonの5Gが導入されているスタジアムやアリーナが対象になる。

上り回線用の帯域幅としては、これまでは最大でもLTEの周波数の20MHzしか使っていなかったが、これからはミリ波帯の100MHzを使用することになる。これにより、上り回線の速度は今までよりも約30%速くなるとしている。

「たったの30%?」という気もしないでもないが、あまり期待させすぎないようにしているようで、実際にはそれ以上の速度が出ることもあるようだ。

たとえば、PCMagがロードアイランド州プロビデンスで実施したテストでは上り回線の速度は37Mbpsから93Mbpsに改善したそうだ。

またOokla Speedtestに寄せられた測定結果によると、上り回線を5Gにすることで速度は4Gに比べて平均で50.55Mbps増加、比率にして78%速くなったとのことだ。

さらに「5G Ultra Wideband」の35番目の提供都市として、サンディエゴでのサービスを5月28日に開始することも発表した。サンディエゴの上り回線も5Gになる。

ただしサンディエゴの中でも5Gが利用できるのは極めて限られた場所になり、カバレッジを外れると4G LTEになってしまう。それでもVerizonの4G LTEは他社の5Gよりも速いと言われているので、とも補足している。