AT&Tが「5G Evolution」を断念

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AT&Tは今後「5G Evolution」という表現を使わないと述べたが、「5G E」は使うそうだ。

AT&Tは4G LTEを高速化した方式を「5G Evolution」と称し、広告やマーケティングなどで盛んに「5G Evolution」や「5G Evolution, The First Step to 5G」と宣伝している。

宣伝文句だけでなく、スマホの画面右上にも「5G E」と表示している。

AT&Tのホームページより

これに対して、技術的には4G LTEの一種なのに利用者には5Gであるとの誤解を与えるのはよくないし、不正競争行為だとして、批判や疑念が出ていた。

本件に関し、競争相手のT-Mobileが広告自主規制の審査機関である全国広告審査局(NAD)に苦情を申し立てた。

NADでは審査の結果、たしかに5Gであるとの誤解を与えるので使用をやめるようにとの勧告が出た。AT&Tはこれを不服として、上訴機関である全国広告審査委員会(NARB)に上訴した。

AT&Tの言い分は、「Evolution」が付いているので5Gへの進化の途上と理解され、誤解の恐れはないというもの。

つまり、本件の争点は「Evolution」が付いていると「進化の途上」と解されるのか、それとも「進化の完了」と解されるのかということになった。

NARBは改めて審査した結果、NADの裁定を支持し、「5G Evolution」の表現をマーケティング活動で使用するのをやめるようにと勧告した。

NARBによれば、「4G LTE」は「4G Long Term Evolution」であるが、これは4Gへの進化の途上ということではなく、4Gへの進化は完了している。

よって「Evolution」が付いていても「進化の途上」とは理解されない、とAT&Tの主張はあっけなく論破された。

この勧告に対してAT&Tは、「respectfully disagree(謹んで不同意いたします)」と述べて、全国の顧客はAT&Tの現状のネットワークが提供する劇的に速いスピードとパフォーマンスの恩恵を受けているとの立場を繰り返しながらも、広告自主規制は支持しているので委員会の決定には従うと述べた。

ただし、The Vergeによれば、スマホの画面右上に表示される「5G E」はマーケティング上のキャンペーンやブランディングには該当しないので、この表示は引き続き使うと述べている。

AT&Tもなかなかしぶとい。利用者に誤解を与える状況はまだ続きそうだ。