T-Mobileがミッドバンド周波数による5Gサービスの提供地域を3都市増やしたが、実は増えてはいない。
T-Mobileは6月30日、Opensignalによる5Gのユーザエクスペリエンス調査でアベイラビリティが最高との評価を得たと発表した。その際、T-Mobileのミッドバンド(2.5GHz)5Gは現在5都市で利用可能になっていることも明らかにした。
ミッドバンド周波数は元々Sprintが持っていたもので、T-MobileにとってSprintを買収したことによる最も大きな成果だ。
それまでT-Mobileはローバンド(600MHz)とハイバンド(28GHz、39GHz)しか持っていなかった。合併により、T-Mobileは米国で唯一、3種類すべての周波数を使った5Gサービスが提供できることになった。
ミッドバンドの5Gに関しては、T-Mobileは既にフィラデルフィアとニューヨークで提供していた。全部で5都市になったということは、3都市が追加されたことになる。つまり今回追加されたのは、シカゴ、ヒューストン、ロサンゼルス。
ところが、今回追加された都市はいずれもSprintが既に提供していた都市だ。さらに前回追加したニューヨークもSprintの提供都市だ。すなわち、合併後に純粋に追加されたのはフィラデルフィアだけということになる。
それ以外の都市は、Sprintの設備を取り外してT-Mobileの設備を入れるという形になっているので、全体として提供都市が増えているわけではない。
そのおかげで、Sprintが元々提供していたミッドバンド5Gは合併完了前には9都市だったが、現在は5都市になっている。
Sprintの提供都市はそのままにして新たな都市に拡張したらどうだ、と言いたいが、それができれば苦労はない、という答えが返ってきそうだ。