金曜日の夕方、サンフランシスコは自転車の大群に襲われた。
「Critical Mass(クリティカルマス)」と呼ばれるイベント、というよりは現象。数千とも言われる自転車愛好家が大通りを信号を無視して、イナゴの大群のように自転車で駆け抜ける。
クリティカルマスという言葉からして、何かに批判的な集団のように思えるが、もともとは全然関係のなさそうな「臨界質量」という意味の言葉のようだ。
最初に集まる場所と時間は決まっているが、特に主催者やリーダーがいるわけではなく、プロパガンダがあるわけでもなく、どこへ向かうのかもわからないという、実に不思議な集団だ。
中には「車を降りろ」と叫ぶ奴もいるところをみると、車を使わずに自転車を使ってエコを促進しようという運動のようにもみえるが、それほど明確なメッセージを皆が発信しているわけではない。むしろ単に多勢でサイクリングを楽しんでいるという雰囲気だ。
この現象はサンフランシスコが発祥で、全世界各地にも広がっているという。毎月最終金曜日に開催される(というより発生する)らしいが、今年の9月はサンフランシスコでクリティカルマスが始まってから20周年になるので、特に盛大に祝われたようだ。
夕方のラッシュアワーに重なるので、車やバスで通勤している人たちは大迷惑。意味がわからないと怒る人も多い。
どうせ やるならサンフランシスコの急な坂を是非とも登ってもらいたいものだ。
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