AT&TがDSLの廃止に着手


AT&TがDSLインターネットの段階的廃止に動き出した。

USA Todayによると、AT&Tは10月1日をもってDSLインターネットの新規受付を停止した。「DSLのような時代遅れのサービスをフェースアウトさせる」方針の一環だ。

現在サービスを利用中の既存顧客はそのまま継続できるが、可能な場合には100%光ファイバのサービスに移行できるとしている。

代替の高速インターネットサービスが用意されていれば問題ないが、同紙によれば、代替サービスのない地域でも構わずに実施されるらしい。固定インターネットが利用できなくなる事態も想定される。

今どき代替サービスのない地域なんてあるのか、と疑問に思う人もいるかもしれないが、米国のルーラル地域を甘く見てはいけない。

ちなみに我が家の所在する地域はAT&Tの電話サービスの提供地域であるが、AT&Tが提供するインターネットは最大5MbpsのDSLインターネットしかないという、今どき信じられないような状態だ。それほどルーラルではないと思っていたが。

DSLを廃止するからには、代替サービスを用意しているのではないかと思い、再確認してみたが状況は変わらず。インターネットサービスのホームページで住所を入れて利用可能性をチェックしてみると、やはり最大5Mbpsのサービスしか出てこない。

AT&Tのインターネットサービスのホームページより

幸いケーブルTV会社のComcastがケーブル回線による200Mbpsのインターネットサービスを提供しているので、今はそれを利用しているが、ケーブルインターネットがなかったら悲惨なことになっていた。

USA Todayの別の記事によると、ニューヨーク州ブルーミンググローブに家を買った夫婦は、引っ越してからインターネットがないことがわかり、ケーブルTV会社に回線を引き込んでくれるよう頼んだら、32,000ドルかかると言われたという。

そんな大金はとても払えないので、Viasatの衛星インターネットを利用しているが、データ許容量に制限があってビデオストリーミングも利用できないサービスに月々220ドル以上払っているという。

5GやLTEの固定サービスが広がる余地は十分にある。