郵便が5Gを支える


郵便サービスが5Gの拡張のために重要な役割を果たすことができるとの提言がある。

郵便公社の監察官(USPS Inspector General)が9月に発表した報告書の中で、全国31,000か所にある施設を活用して5Gの拡張に寄与しようという提言を行った。具体的には以下のような施策を提案している。

  • 全国の郵便局の屋根に5G基地局を設置する。
  • 郵便局間を光ファイバで結び、5G基地局のバックホール回線にする。
  • ルーラル地域では郵便局で無料の公衆Wi-Fiを提供する。
  • 郵便局内にエッジコンピューティング用のデータセンタを設置する。
  • 郵便局を介した公共安全上の通信をサポートする。
  • ブロードバンドの利用可能性に関するデータ収集を郵便局員が行う。

米国ではハイバンドを使用する5Gサービスの提供地域がなかなか広がっていないが、その一因として、5G基地局の設置場所の確保とそれに伴う市町村からの使用許可の取得がなかなか進んでいないという事情がある。

5Gの電波の健康被害に対する懸念も根強く、住民による基地局設置反対運動や訴訟が起こっているところもある。地域によっては住宅地での5G基地局設置を禁止してしまったところもある。

通信事業者にとって、基地局設置のために全国の郵便局が使えるということになれば、5Gの地域拡張が一挙に進められる可能性がある。

郵便公社にとっても、5Gに貢献しながら収入を増やすことができれば、巨額の赤字を抱える現状を改善することもできる。

お互いにとってウイン・ウインのソリューションだ。