ソーシャルメディアのおかしな動き

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ソーシャルメディアが言論の統制・弾圧というおかしな方向に走っている。

1月8日、Twitterがトランプ大統領のアカウントを永久停止にした。これに関しては、いろいろとおかしな動きが見られる。

1月6日に上下両院会議でバイデン氏の勝利が確認され、トランプ大統領も「秩序ある政権移行が行われる」と表明したことで、一応決着した(少なくともそう見える)はずなのに、なぜかその後Twitterを始め、多数のソーシャルメディアがこぞってトランプ大統領やその支持者の投稿削除やアカウント停止といった措置を強化している。

1月6日に抗議運動の参加者に対して平穏無事に家に帰るよう呼びかけたトランプ大統領のツイートとビデオをTwitterが削除してアカウントを一時停止にしたのも十分おかしかったが、その後、1月8日にアカウントが一旦復活した際に、トランプ大統領が2件のツイートをすると、Twitterはそれも削除してトランプ大統領のアカウントを永久停止にしてしまったのもおかしい。

対象の2件のツイートのうち、1件は「7500万人の偉大なアメリカの愛国者たちは将来にわたって巨大な声を持ち続け、不当に貶められたり脅されたりすることはないだろう」という趣旨のもの。もう1件は「1月20日の就任式には行かない」というもの、

Twitterはトランプ大統領のアカウントを永久停止にした理由について、この2件のツイートを分析した結果、「暴力の賛美」を禁止しているTwitterのルールに違反していると判断したと説明している。

当該ツイートの中には暴力を賛美している箇所はないので、Twitterが一字一句の文言や状況を分析してそういう風に解釈できると判断したということになる。その分析の説明はどう見ても論理的、客観的とは言えない。

たとえば、「就任式に行かない」という表明は選挙が正当なものではないという風に多くの支持者に受け止められるし、「秩序ある政権移行」の言質を守らないつもりであるように見える。「受け止められる」や「見える」は客観的ではなく、Twitterの検閲担当者の主観だ。

また就任式に行かないことにより、暴動を計画していた可能性のある人たちにとっては就任式が「安全な」攻撃対象になりうるので鼓舞していることになるかもしれない、とも説明している。

「可能性のある(potentially)」や「なりうる(would be)」や「かもしれない(may)」という言葉を使っているが、これは事実である確率がかなり低いときに使う言葉だ。可能性ならば無限にあるので、何とでもなりうる。ある可能性があれば、ない可能性もある。そうかも知れないが、違うかもしれない。

確率がかなり低いものを根拠にして断定的に述べるのは、邪推、こじつけ、言いがかりの類だ。このような理由で強行措置を発動するのは全体主義のやり方だ。

さらに支持者たちを「アメリカの愛国者」と表現することは、議事堂で暴動を起こした人たちを支持しているものと解釈される、とも説明している。今回暴動を起こしたのは支持者たちに紛れ込んだテロリスト集団とされている。

それを別にしても、「愛国者」=「暴動を起こす人」と解釈する人がどれだけいるだろうか。これもかなり確率の低いものを根拠にしていると言える。

Fox Newsのシニア政治アナリストのブリット・ヒューム氏は、Twitterのこの説明について、「純粋に編集者の判断」と批判している。それをするとTwitterは「プラットフォーム」ではなく「パブリッシャー」ということになり、「230条」の免責は適用されなくなる。すなわち、Twitter上のあらゆるコンテンツについて法的責任を負うはめになる。

Twitterにはその覚悟があるのか。そこまで考えて今回の措置を発動したのか。おそらくそこまで考えず、何かトランプ大統領の言論を直ちに封殺する必要があったのではないか、その理由を後から付け足したのだろうと邪推せざるをえない。

Twitterのアカウントを永久停止されたトランプ大統領は、その代替として「Parler」アプリを使い始めたが、その途端、AppleとGoogleがParlerに対し、24時間以内に検閲を強化しないとアプリを使用禁止にすると言い出した。

検閲強化のシステム変更がそう短期間にできるはずもないので、事実上の使用禁止だ。なぜそんなに急いで使用禁止にする必要があるのか。これも何か焦っているように見える。

何か焦っているように見えるのはソーシャルメディアだけではない。民主党のナンシー・ペロシ下院議長もかなり焦っている。合同会議が満足のいく結果になったのだから、もう「勝利した」と安心していい段階だろうに、トランプ大統領を罷免か弾劾で大至急排除しようとしている。

トランプ大統領は「秩序ある政権移行」を行うと表明しているのだから、そもまま放っておいても数日で平和的に政権移行が進むと考えるのが普通だろう。就任式を待つ余裕もないほど、何か異常なことが起こる可能性があるのかと邪推せざるをえない。

そう言えば、バイデン側は早期の政権移行を求めていたはずだが、それにしては副大統領の当選が確認されたカマラ・ハリス氏がまだ上院議員を辞職していないのはなぜだろうか。

もっとも、トランプ大統領の発言には、まだ「敗北宣言」に当たる言葉は1つも使われていないことにも注意する必要がある。「秩序ある政権移行」とは言っているが「バイデン政権への移行」とは言っていない。「就任式」とは言っているが「バイデン大統領の就任式」とは言っていない。

以上をまとめると、1月6日の合同会議以来、民主党とソーシャルメディア・巨大テック企業がこぞって検閲強化とトランプ大統領排除に動き始め、まさに全体主義に向かって動き出した感があるが、おかしな動きもいろいろあり、まだ選挙結果が確定していない可能性もある。

この「可能性」は「邪推」よりは「合理的推論」に近いと思っている。