食事配達の新たなトレンド

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食事配達サービスに新たなトレンドが生まれており、Amazonはその恩恵にあずかる準備ができているようだ。

レストランなどの食事のデリバリーサービスがコロナ禍で脚光を浴びている。英国を本拠とするDeliverooもその1つ。日本語の「デリバる」との相性もいい。同社の躍進につれて同社のビジネスモデルが新たなトレンドになりつつある。

2013年に創業した同社のビジネスは、基本的にはレストランと顧客をマッチングして食事を配達するサービス。人気のレストランの料理がアプリで簡単便利に注文でき、自宅に届けられる。

DeliverooのiPhone用アプリ(App Storeより)

同じようなアプリやサービスは他にいくつもあるが、新たなトレンドとされている同社のビジネスモデルは、2017年5月に導入した「Deliveroo Editions」というコンセプト。

CNBCが、「ダーク」キッチン、「ゴースト」キッチン、「配達専門」キッチン、「クラウド」キッチンと、何やら怪しげな用語を交えて説明しているが、要するに、レストラン等の食事を配達専用のキッチンで調理して、フリーランスの配達人が顧客に届けるという仕組み。

配達専用なので客を収容したりサーブしたりする施設や要員を確保する必要がなく、交通の便利な場所に設置する必要もないので、コストを大幅に抑えることができる。

既存のレストランにとっては、配達用の料理を既存のキッチンとは別のキッチンで調理することで、配達用の負荷が大きくなっても既存のレストランの運営には影響を与えない。

新規に開店するレストランにとっては開店までの期間を驚くほど短縮し、開業費や運営費の大幅な削減ができる。

Deliverooは多数のレストランと提携し、各レストランの配達専用のキッチンを集積した「ハブ」、すなわち「Delivaroo Editions」を、英国内に14か所、全世界で32か所設置している。さらに今年中に64か所に倍増する計画もある。

また今年中にIPOも計画しており、評価額は130億ドルにもなると予想され、英国のテック企業としては今年最大のIPOの1つになると見込まれている。

コロナ禍が追い風になったという運の良さもあるだろうが、このビジネスモデルにチャンスを見出した創業者の先見性もなかなかのものだ。

上記のCNBCが指摘しているのは、このDeliverooの勢いにAmazonも既に乗っており、恩恵にあずかる準備ができていること。2019年5月にDeliverooが5億7,500万ドルの資金調達をしたときにAmazonがリードインベスターとなり、16%の持ち分を取得している。さらにAmazonのアプリがDeliverooのアプリを包含した「スーパーアプリ」になる可能性もあるとのことだ。

これほどまでに事業を拡大してきたAmazonの先見性にも舌を巻く思いだが、ジェフ・ベゾス氏がCEOを退いた後はどうなるのか、興味を持って見守ることにしたい。