T-MobileのスーパーボウルCMが放映禁止


T-Mobileのスーパーボウル用のCMのうちの1本が放映禁止になった。

第55回スーパーボウルは2月7日、フロリダ州タンパのレイモンド・ジェームス・スタジアムで開催され、タンパベイ・バッカニアーズとカンザスシティ・チーフスが対戦した。

T-Mobileがこのために用意したCMのうちの1本が放映禁止になった、とマイク・シーバートCEOがツイートした。

問題のCMは1年前の設定。当時ニューイングランド・ペイトリオッツに所属していたトム・ブレイディが引退の可能性を含め今後どうするかを同僚のロブ・グロンコウスキーにスマホのビデオ通話で相談する。

グロンコウスキーが引退に大賛成する。今すぐ引退してフロリダに来れば1週間(week)の内には軟らかい(soft)砂の上を歩いているだろう、フロリダに来て気持ちのいい風を感じてみろよ、引退というのはもう一度勝利を手にするようなものと強く勧め、自分もそうすると伝える。

ところが回線が悪く、途切れ途切れになったため、ブレイディには、引退するなんて軟弱(soft and weak)だ、引退しないでフロリダに来て、もう一度勝利を目指すべきだと勧めているように聞こえてしまう。

それを素直に受け入れて、ブレイディは2020年3月にタンパベイ・バッカニアーズに移籍することを発表。その際に、同僚のグロンコウスキーも一緒に移籍すると発表してしまう。さらに「僕は軟弱じゃない」と念押しをする。

その結果、二人がタンパベイ・バッカニアーズに移籍して、チームをこの決戦イベントに導いたというストーリーだ。もしあのとき回線が良好だったら、今頃二人は引退してフロリダでのんびり過ごしていたところだった。

このCMでT-Mobileが伝えているメッセージは、ネットワークを選ぶというのはとても重要な決定であり、どこでもいいというわけではない、5GのリーダーであるT-Mobileを選ぶべきだというもの。

CM中の「GOAT」とはヤギのことではなく「Greatest Of All Time(史上最高)」の略で、トム・ブレイディがクォーターバックとして史上最高と評価されているのにかけて、T-Mobileは5Gで史上最高であると宣伝している。

このCMがなぜスーパーボウルでの放映が禁止されたのか、どこが問題だったのかについては、詳細は明らかではない。禁止を決めたのがCBSなのかNFLなのかも明らかではない。

単に「NFLの公式スポンサーである通信会社との取り決めにより保護された権利のため」という理由がメールで通知されただけだったという。

ちなみにNFLの公式スポンサーになっている通信会社とはVerizonのことだ。