T-MobileのSA 5GはNSA 5Gより遅い

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T-Mobileのスタンドアローン(SA)5Gは非スタンドアローン(NSA)5Gよりも速度が遅いとの調査結果が出た。

T-Mobileは2020年8月に世界に先駆けてSA方式による全国5Gを開始した。SA 5Gは4G LTEネットワークに依存しない独立した5Gネットワーク。

これにより、とりわけルーラル地域の5Gカバレッジが大幅に改善されたが、それは速度を犠牲にしたものだった、とのOpensignalの調査結果をFierceWirelessが紹介している。

同調査によれば、T-Mobileの5Gアベイラビリティは、8月4日のSA 5G開始時点では都市地域が26.9%、ルーラル地域が24.5%だったのに対し、開始から5か月後には都市地域が31.5%、ルーラル地域が33.3%に改善し、ルーラル地域が都市地域を超えた。

開始から5か月後のSA 5Gの導入率(5Gに占めるSAの割合)も都市地域は14.7%なのに対し、ルーラル地域は26.6%と、ルーラル地域の方が都市地域よりSA 5Gの導入が進んでいることがわかった。

すなわち、SA 5Gの導入が5Gアベイラビリティの改善に貢献しているということが言える。

一方、速度に関しては少し事情が違う。開始から5か月後のNSA 5Gの平均下り速度は都市地域で64.4Mbps、ルーラル地域では53.4Mbpsだったのに対し、SA 5Gの平均下り速度は都市地域が28.6Mbps、ルーラル地域が30Mbpsと、SA 5Gの方がNSA 5Gよりも速度が遅いことがわかった。

その理由としては、SA 5Gはローバンド周波数(600MHz)のみを使用するのに対し、NSA 5Gは4G LTEのミッドバンド周波数(2.5GHz)を制御用の「アンカーバンド」だけでなくユーザデータの伝送用にも使用しているためと説明している。

SA 5Gでもローバンドとミッドバンドの周波数を束ねるキャリアアグリゲーション(CA)により高速化できる可能性があるが、二重化方式がローバンドはFDD、ミッドバンドはTDDという違いがあり、両者のCAに対応しているチップセット(Qualcomm X60)を搭載しているスマホは、現状では最新のSamsung Galaxy S21など極めて限られているという事情がある。

今後、対応スマホの普及が進めばT-MobileもSA 5GにCAを導入して高速化する可能性があるとしている。

なお、SA 5Gは速度は遅いがエンド・エンドのレイテンシーは20%以上(都市地域で23.8%、ルーラル地域で21.6%)改善したとの調査結果も出ている。