Verizonがハイバンド5Gの提供地域を3都市追加した。
Verizonは2月25日、ハイバンド周波数による5Gサービス「5G Ultra Wideband(UWB)」の提供地域を拡張したと発表した。今回追加したのはシアトル、サクラメント、ペンサコーラの3都市。
これにより「UWB」の提供地域が全部で何都市になったのかは、Verizonの発表文書の中では明記されていなかった(Verizonは数えるのをあきらめたか)が、当方にて数えたところでは67都市となった。
今回対象となった都市のうち、「ペンサコーラ」というのはあまり聞き慣れない都市名かもしれない。フロリダ州の北西端に位置する人口約5万人の都市。
1559年にヨーロッパ人が初めて米大陸に入植した土地であるという歴史的な意義があり、海軍航空基地を始めとする海軍関連の施設が多数存在するという戦略上重要な都市でもある。
ちなみに、「ペンサコーラ」というのはもともとこの土地に住んでいたインディアン(ネイティブ・アメリカン)のペンサコーラ族から来ているとのことだ。
ついでに「シアトル」の都市名もインディアンに関係しているが、こちらはその土地に住んでいたドゥワミッシュ族の酋長の名前「シアルス(Sealth)」からとったものだ。
「サクラメント」だけはインディアンとは関係がなく、「サクラメント川」という川の名前からとったものだ。
その「サクラメント川」はと言えば、スペイン人の騎兵士官のガブリエル・モラガが、カトリックの聖体拝領に因んで「Santisimo Sacramento(最も聖なる秘跡)」の意味を込めて命名したものだ。
「サクラメント」の命名にインディアンが絡んでいないからと言って、その土地にもともとインディアンが住んでいなかったわけではない。
もともと平和に暮らしていたのに、外から入ってきた白人たちに土地を占領され、迫害され、その土地から追い出されたインディアンたちがいると思うと心が痛む。
なお、Verizonにとってサクラメントは、これまで固定5Gサービス「5G Home」はあるが「UWB」はないという唯一の都市だった。
今回の拡張により、Verizonの「5G Home」の提供都市はすべて「UWB」の提供都市になった。