Verizonがミッドバンドに本気モード


Verizonがミッドバンド5Gの構築に本気で取り組み始めた。

「Verizonがついにミッドバンドに本気になった」との記事がSeeking Alphaに掲載された。

5Gで使用されている周波数は3種類。ハイバンド(>6GHz)は速度が速いがカバレッジが狭く、ローバンド(<1GHz)はカバレッジが広いが速度は遅く、ミッドバンド(1-6GHz)はその中間。

これに対する大手3キャリアのアプローチは特徴的だ。Verizonはハイバンド重視、T-Mobileはミッドバンド重視、AT&Tはどっちつかず。

現状はこの状態で5G競争が繰り広げられていることから、各キャリアの5Gサービスはそれぞれの周波数の特性に応じたメリット・デメリットを持っており、それが互いの宣伝・攻撃材料になっている。

たとえば、VerizonはT-Mobileの5Gを攻撃して「速度が遅いのでは5Gの意味がない」などと言い、T-MobileはVerizonの5Gを攻撃して「見付けるのが難しい」などと言っている。AT&Tはどっちつかずなので、あまり積極的に攻撃していない。

そして、現状の5G競争の評価は、T-Mobileの勝利とされている。現状のユーザにとってはVerizonの超高速の5GよりもT-Moibleの広範囲の5Gの方が使い出があるという評価だ。

つまり、現状ではミッドバンド周波数の方が重宝されている。Verionはそれに気が付き方針を変更した。それが具体的行動に現れたのが今回FCCが実施したCバンド周波数(3.7-3.98GHz)のオークション「Auction 107」。

FCCは2月24日、オークションの落札結果を発表した。

Auction 107の合計落札金額上位5社(FCCの発表文書より)

一番多くの金額をつぎ込み、一番多くの免許を落札したのは「Cellco Partnership」。これはVerizon Wirelessの法人登録上の正式名称だ。金額は約455億ドル、免許数は3,511件。

AT&Tはその約半分の234億ドル、1,621件。T-Mobileはさらに少なく、約93億ドル、142件。

Verizonのミッドバンドに対する意気込みは並大抵のものではなさそうだ。