大統領はTwitterなどの大手ソーシャルメディアで特定のユーザをブロックできるのか。これは結構難しい問題だ。
CNNなどによれば、連邦最高裁は4月5日、2017年5-6月に当時のトランプ大統領がTwitterで大統領への批判を繰り返していたユーザをブロックしたことを違憲とした控訴裁の2019年の判決を破棄差戻した。
SCOTUS has wiped away a lower court opinion holding that then-President Trump violated the First Amendment when he blocked followers from his Twitter account. In May and June of 2017, he blocked seven individuals who had expressed displeasure with him. https://t.co/tRmppbRF79
— CNN (@CNN) April 5, 2021
控訴裁の違憲判決の理由は、トランプ大統領のツイートは公的空間(パブリックフォーラム)に該当し、その中では言論の自由が憲法で保障されているので、たとえ大統領に批判的なユーザであってもブロックしてはならないとしたもの。
これに対し、これを破棄差戻した最高裁の判決の理由は、トランプ氏が既に大統領職から退いていることと、トランプ氏のTwitterアカウントは永久停止されているからという簡単なもの。
つまり、最高裁は大統領がSNSで特定ユーザをブロックすることは合憲なのか違憲なのかについては判断を避けた形となっている。
ただし、連邦最高裁のクラレンス・トーマス判事が、TwitterやFacebookなどのデジタルプラットフォームによるモデレーションパワー(すなわち、監視・検閲して強権を発動できる能力)が真の問題だとの注目すべき意見を付している。
2020年の大統領選挙以来、裁判所を含めて社会全体でおかしな動きが目立っていたが、久しぶりにまともな判事の意見を聞いたような気がする。