YouTubeの違反取締りは順調


YouTubeによるルール違反動画の取締活動は順調のようだ。

YouTubeは四半期ごとに「コミュニティガイドライン取締りレポート」なるものを発表し、ルールに違反しているとして削除したチャンネル数・動画数や違反理由などの統計データを公表している。

さらに4月6日には、このレポートに「VVR(Violative View Rate)」という新たな統計項目を追加すると発表した。これは視聴された動画のうちルール違反の動画がどのくらいの割合を占めるかというデータ。

それによると最新の2020年第4四半期のVVRは0.16%から0.18%。すなわち動画1万本あたり16-18本の違反動画が視聴されているということになる。最近はこのくらいのレベルで下げ止まっているが以前はもっと多かった。

YouTubeの公式プログより

2017年第4四半期のVVRは0.7%を超えていたので、その頃から比べると違反動画は70%も減った計算になる。違反動画の取締りに機械学習を導入したのが功を奏したとしている。

YouTubeとしては、これで取締活動が終わったわけではなく、今後も継続的にルールを見直し、取締りを強化していくと鼻息を荒げている。

たしかに、一見、目覚ましい活動実績のように見える。有害な動画が減ることはコミュニティの安寧秩序のためにはいいことではある。ただし、取締活動の中身が大事で、実際、これまでの取締りの実態には問題も多い。

何をもって有害とするかというところに恣意的な判断基準が入り込む余地があり、しばしば言論の自由や知る権利を侵害し、世論を一定の方向に誘導しようとしているとの疑念や批判を招いている。

善良な多くのYouTuberたちが声を封殺されたり、これを言うと警告を受けるのではないか、アカウントやチャンネルが停止になるのではないかと、ビクビクしながら投稿したりしているのを見かける。

ジョージ・オーウェルの「1984年」の監視社会に近づいていると見えなくもない。