サンフランシスコのゴミ捨て事情


アメリカではゴミの分別はしない、という常識を覆されたのが、サンフランシスコに来てこのゴミ箱を見たときだ。

緑、黒、青の3色のゴミ箱が並んでいる。この写真ではそれぞれに「COMPOST(堆肥)」「LANDFILL(埋立て)」「RECYCLE(リサイクル)」というイメージ付きの表示があるのでわかりやすいが、この表示がなく、単に3色のゴミ箱だけが置かれている場合が多い。場所によっては黒と青の2色しかないところもある。そのどれかに入れないといけないのだが、どれに入れていいかわからないことがよくある。

分別の基準が日本とは違うのでややこしい。緑の「堆肥」になるようなゴミといえば生ゴミが思いつくが、生ゴミはほとんど台所の流し台に付いているディスポーザーで砕いて下水に流してしまうので、ゴミ箱に捨てるようなものはあまりない。その他に草木も堆肥になることは理解しやすいが、紙ナプキンとか紙コップのような紙類も堆肥になるというのがややこしい。

黒は「埋立て」用のゴミ。埋め立てるかどうかの判断は専門家に任せたいところだが、専門家の意見を聞いている暇もないので、「堆肥」でもなく、残りの「リサイクル」にも該当しないものが「埋立て」用だと判断するしかない。

青の「リサイクル」はビン、缶、ペットボトル、段ボール、きれいな紙など、日本で資源ゴミに分別されるようなものを入れておけばだいたい間違いはない。きれいな紙というところが少し判断に迷うところだ。きれいかどうかは主観的な要素が避けられない。

通常のゴミはだいたいこんな感じで捨てている。ゴミは1週間に1回、Recologyという会社のトラックが回収しに来る。ゴミ処理料は有料でアパートなどの集合住宅では家賃や管理費に含まれていることもあるが、一戸建ての場合は1か月27.55ドルかかるのが基本。

この3色のゴミ箱は無料でもらえる(ゴミ処理料に含まれている)。厳密に言うと緑と青のゴミ箱だけが無料だ。黒いゴミ箱の容量によってゴミ処理料が変わってくる。基本は32ガロンだが、もっと小さい20ガロンのミニ缶にするとゴミ処理料が23%割引になる。つまり、ゴミはできるだけ「堆肥」や「リサイクル」にできるようなものを排出し、「埋立て」用のゴミを減らそうとのインセンティブが働くようなしくみになっている。

単にゴミを減らそうとか、リサイクルを促進しようとか、かけ声だけかけてもあまり効果が期待できそうもないが、お金を絡めると効果は断然違ってくる。いろいろな分野に応用できそうなアイデアだ。

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