アリゾナに引っ越してみた(その4)


アリゾナにはコロナ前の「ノーマル」があった。

カリフォルニアからアリゾナに引っ越して1週間、いろいろな違いを目の当たりにしているが、今のところ大きな違いはアリゾナではコロナ前のノーマルな生活があること。

まず、マスクをしている人をほとんど見かけない。小売店やレストランでもマスク着用を求められることはない。店員もほとんどマスクをしていない。公園や観光地などでもマスクなしで人が集まり、密もお構いなし。

観光地の「セドナ」にて

まれにマスクをしている人を見かけることもあるが、どう見ても旅行者と思われる人ばかりだ。

もちろん、マスクをしてはいけないというルールもないので、したければしてもいい。要するにマスクをするもしないも個人の自由だ。これが本来のあり方だ。コロナ前まではずっとそうだったではないか。

新型コロナワクチンにしても同様だ。接種するもしないも個人の自由だ。接種していないとお店に入れないとか、行動が制限されるということはまったくない。

当然ながらワクチンパスポートを導入しようなどという動きもない。それどころか、州知事はワクチン接種を強制しないと明言しており、ワクチンを接種したかどうかは個人情報なので、その情報の提示を強制したり、提示しないとサービスが受けられないといったような扱いも禁じている。

もっとも、州知事が強制できるのは州の政府機関や州から補助金をもらっている企業等に対してのみなので、郡・市町村レベルや純粋な私企業がワクチン接種証明書の提示を求めることまでは禁じることはできないとされている。

すなわち、純粋な私企業が顧客にワクチン接種証明書の提示を求めることは禁じられていない。それは各企業の判断で決めればいいということになる。ここにも自由がある。

こんなに緩くて自由なやり方で、コロナの感染拡大が防げるのかという心配もあろうが、今のところアリゾナ州が他州に比べて特に感染拡大がひどいという状況にはなっていない。

カリフォルニアでは散々「ニューノーマル」に慣らされてきた。このご時世なのだから仕方がないと思っていた。アリゾナで「ノーマル」に再会して考えが変わった。

やっぱり「ノーマル」がええわ。