高級EV市場の競争が始まった


電気自動車(EV)の高級車市場で熱き戦いが始まった。

EVの高級車市場と言えばTeslaの牙城と思われたが、最近はそうでもないようだ。

2007年に設立されたLucid Motorsという会社が注目されている。元Teslaのチーフエンジニアだったピーター・ローリンソン氏がCEO を務めている。

2021年10月に納車を開始した同社の第1号EVである「Air Dream Edition」は、最大1,111馬力(「Performance」モデル)、1充電での航続距離は最大520マイル(「Range」モデル)、価格は16万9,000ドルからという、超高級スペックで世間を驚かせ、MotorTrendの「2022年カーオブザイヤー」に選ばれた。

ちなみに、Teslaの最上位モデル「Model S Plaid」は最大1,020馬力、航続距離は396マイル、価格は13万5,990ドル。

ただし、Lucidの「Air Dream Edition」は520台の限定生産で、既に売り切れ状態となっているので、入手は極めて困難。

2022年4月には新たに「Air Grand Touring」モデル(819馬力、航続距離は516 (19インチホイール) /469 (21インチホイール)マイル、価格は13万9,000ドルから)の納車を開始するとともに、その上位車種となる「Air Grand Touring Performance」の納車も6月から開始すると発表した。

Air Grand Touring Performance(Lucidの発表文書より)

「Air Grand Touring Performance」は、1,050馬力、446マイルと、「Dream Edition」より若干劣るものの、性能的にほとんど遜色はなく、21インチエアロスポーツホイールなど装備を充実させ、価格は「Dream Edition」よりも1万ドルもアップして17万9,000ドルからと、同社の高級EVの中でも最高級モデルとなる。

同社は高級EVの堅調な需要が今後も見込まれるとしており、強気の姿勢で臨んでいるようだ。

さらに、同社はモーターとバッテリーを自社生産していることも強みだ。需要に応じて迅速に供給可能としている。