サンノゼの自動運転交通システム計画が前進


サンノゼの空港と鉄道駅を結ぶ自動運転交通システムの計画が一歩前進した。

Glydwaysのwebサイトより(以下同じ)

The Mercury Newsによれば、カリフォルニア州サンノゼ市議会は4月18日、サンノゼ国際空港と市内の鉄道駅「ディリドン駅」を結ぶ交通システムについて、地元のスタートアップ企業であるGlydwaysの技術を採用する方向で検討を進める旨の議案を満場一致で可決した。

この時点で検討開始から20年もかかっているというから驚きだ。今まで何をしていたのか。2028年までの運行開始を目指しているので、実現するとしてもさらに後5年以上はかかりそうだ。

この空港と鉄道駅の区間は距離にして約3.5マイル(約5.6km)。車なら10分程度で行けるところ、現状で公共交通機関を使うとなると路線バスとライトレール(路面電車)を乗り継ぐなどして30分以上はかかる。

Glydwaysの新交通システムは最大4人乗れるゴルフカート位の大きさの自動運転シャトルを運行するもの。『スタートレック』に出てくるシャトルのようで、まさに未来の乗り物というイメージだ。

専用の道路を走行するので信号もなく、一般の車両や歩行者などと接触する危険性もなく、最高時速31マイル(約50km)で途中で停車・減速することなく走行し、同区間を約8分で結ぶことができるとしている。

問題はGlydways社の技術がまだ開発途上で商用化に至っていないということ。そのため、既存交通システムの組合などからは、「現実味がない」、「実現可能性が薄い」などの批判が寄せられている。

ただ、市側はこれがサンノゼのシリコンバレーにおける技術リーダーとしての地位を確固たるものにする最も効率的なオプションだとしている。

検討にあたっては、イーロン・マスク氏率いるBoring Companyによる地下トンネル交通システムも候補に上がり、実際に提案書も出されたが、財務的な書類が不十分だったため採用には至らなかったとのことだ。

マスク氏は今、TwitterやSpaceXで忙しいだろうから、交通システムの方は優先度が下がっているのかもしれない。