自動運転で配車されるカーシェアリング


ラスベガスのHaloは自動運転で配車されるカーシェアリングサービス。

Haloのブログページより(以下同じ)

自動運転車によるライドヘイリング(ライドシェアリング)サービスと言えば、CruiseWaymoなどのように、ドライバーなしで(保安要員が運転席に付く場合もあるが)自動運転される車に客を乗せて走るのが一般的。利用者は運転しないというのが大きな特徴であり、メリットでもある。

利用者が自分で運転する場合はカーシェアリングやレンタカーとなり、基本的に自動運転車は使わないのが常識というものだ。

ところが、ラスベガスでカーシェアリングを展開しているHaloはその常識を打ち破って、自動運転車を使う。利用者は借りた車を自分で運転する。借りる部分と返す部分が自動運転で行われるというもの。

要するに、利用者はレンタカーと同様に車を使用することができ、借りる際には使う場所まで自動運転で車を届けてくれるというもの。

自動運転と言っても、実際にはHaloのスタッフが遠隔操作で運転するので、遠隔運転と言った方がいい。返す時も同様、使い終わった車は遠隔運転で返却される。

ただし今のところはこの遠隔運転による配車はラスベガス市内のごく限られた地域で実験的に提供しているのみ。6−7月に提供地域が拡張される可能性があるらしいが、まだ実験的な位置付けには変わりはない。

現状ではこの限られた実験地域以外では、この借りる部分と返す部分の運転を人手で行う形でカーシェアリングサービスが提供されている。車種はKia NiroとChevrolet Boltで、どちらもEV。利用料金は1時間12ドル。

人手で車を届けてくれたり返してくれたりするのは利用者にとっては大変便利だが、サービスを提供する事業者にとっては非常にコストがかかる。この部分を遠隔運転に切り替えてコスト削減を図ろうという狙いだ。

利用者から見れば、人手でも遠隔運転でも使い勝手はそれほど変わらないが、提供する事業者側にとってはビジネスの成否を左右するほど大きな違いがある。

カーシェアリング業界全体にとっても大きなインパクトになる可能性がある。