Verizonが顧客主導の料金プランを導入


Verizonがワイヤレスサービスで顧客主導の料金プランを導入すると発表した。

Verizonは5月16日、ワイヤレスサービスにおける新料金プラン「myPlan」を発表した。顧客がそれぞれのニーズに応じて料金プランをカスタマイズでき、しかもいつでも変更できるというもの。提供開始日は5月18日。

他社のプランは使いもしないさまざまな特典をバンドルさせて肥大化させ、同じプランを誰にでも適用しようとしているが、それは顧客にとって「自由」と言えるのか。Verizonは顧客にとっての自由を再定義するとしている。

このアイデア自体はそれほどおかしなものではない。必要なものを必要なときに必要なだけ使えるのはいいことだ。

その仕組みは、まず顧客は何も特典の付いていない基本プランを次の二つから選ぶ。Unlimited Plusは高速の「5G Ultra Wideband」が無制限に使える。Unlimited Welcomeは比較的低速の5Gが使える。

上の図で表示されている料金は4回線利用時の1回線あたりの月額料金で、回線数に応じて1回線あたりの料金は以下のように変わる。

次に必要に応じて追加的な特典を選ぶ。これは無料ではなく、一つの特典につき10ドルの月額料金が加算される。

たとえば、Hulu、Disney+、ESPN+がセットになった「Disneyバンドル」を選ぶと月10ドルが加算される。Unlimited Plusで1回線利用の場合、合計の月額料金は90ドルになる。

ここで、現行の料金プランと比較してみると、驚くことに、新プランの方が高くなるではないか。現行ではたとえば「Play More」は1回線利用の場合、月80ドルでDisneyバンドルやその他の特典が付いてくる。

現行の料金プラン(1回線利用の場合)(Verizonのホームページより)

顧客が後で選択できるように余計な特典を排除した基本プランが、現行の特典付きのプランと同額に設定されているので、特典を追加するとその分だけ新プランの方が現行よりも高くなってしまうという仕組みだ。

必要な特典を顧客が選べるようにするのはいいが、選ばない場合はその分安くしてくれないと、顧客にとってのメリットはない。

そういうわけで、Verizonの新料金プランは顧客のことを考えたものとは言い難い。