ロボタクシーのWaymoがUberと提携


Alphabet傘下でロボタクシーを展開するWaymoがライドヘイリングのUberと提携した。

Waymoのロボタクシー(Waymoのホームページより)

両社は5月23日、複数年にわたる戦略提携を発表。Uberのプラットフォームを介して「Waymo Driver」を利用可能にするというもの。

なお、Waymoのロボタクシーはドライバーがいない自動運転車なので、「Waymo Driver」とはドライバーのことではなく自動運転技術のことを指している。

この提携によりUberの配車アプリを使ってWaymoのロボタクシーを呼ぶことができるようになる。当初の提供地域はフェニックスおよびその近郊で、今年中に提供開始を予定する。

Waymoは5月初めにフェニックスとその周辺におけるロボタクシーサービス「Waymo One」の提供エリアを倍増し180平方マイルに拡張したばかり。これはロボタクシーの提供エリアとしては世界最大とされている。

このエリアにいる人は誰でも、Waymo Oneのアプリを使用してロボタクシーを呼ぶことができるが、それに加えて今回の提携により、Uberの配車アプリからでもWaymoのロボタクシーを呼ぶことができるようになる。

Waymoにとっては利用者層の拡大、Uberにとっては配車能力の増強と利用者にとっての選択肢の拡大と、双方にとってハッピーな提携ではあるが、実はこの両社は数年前には裁判沙汰になるほど敵対していた。

元GoogleのエンジニアだったAnthony Levandowski氏が退職した際にWaymoの自動運転技術に関する大量の機密情報を持ち出し、その情報を元に自らの自動運転車ビジネス「Otto」を立ち上げ、そのOttoを後日Uberが買収したことで、WaymoとUberの間の知的財産に関する争いとなったもの。

最終的には和解に至ったものの、互いにしこりが残っている状況であるはずなので、両社が提携するというのはまさに劇的な展開。