アメリカのWSJやイギリスのTimesなどを発行しているNews Corporationが、iPad用の電子新聞「The Daily」を12月15日をもって廃刊にすると発表した。
せっかくiPadやその他さまざまなタブレットなどが続々と登場し、新聞、雑誌、書籍などのデジタルコンテンツがますます充実しようとしているところへ水を差すような動きとなった。残念だが、有料のコンテンツが受け入れられるのは難しいということが証明された1つの事例だ。
それにしても我々は（少なくとも筆者は）、紙の新聞には平気でお金を出すのに、電子版になるとなぜかお金を払いたくなくなる。無料で同じような情報がいくらでも手に入るからだ。有料にするからには、それなりに付加価値がないと意味がないが、新聞のような速報性が主体の媒体では付加価値を付けるのが難しいのだろう。
有料にするために何か付加価値を付けることを考えるより、いっそ無料にして、広告など別のところで儲けるとか、顧客情報を蓄積して他に役立てるとかいった仕組みを作った方が早い。というわけで、今後もますます無料コンテンツが幅を利かし、有料コンテンツは肩身の狭い思いをしそうな様相だ。
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