リアル店舗は当面健在


ネット販売の台頭でリアル店舗はなくなる、なくならないの議論があるが、レストランなどの検索サービスを提供するYelpの事業開発担当副社長の Mike Ghaffary氏によると、リアル店舗は当面健在だ。

TechCrunchに掲載された同氏の寄稿によると、リアル店舗がなくなるとの主張はネット販売に移行し難い業界のことを無視しているという。

もちろん、顧客がオンラインショッピングに移行して苦労している業界もあるが、そうでない安泰の業界もあるということを無視してはいけない。

というわけで、同氏は業界ごとにネット/リアルの度合いを0(ネット性が高い)から1(リアル性が高い)までの点数で表した。

同氏の採点方法は以下の計算式による。

L = (e + t – s + 5) / 15

L = ローカル係数(リアル性の高さ:1点満点)
e = 購入後のリアル体験の重要性(5点満点)
t = 購入直前に商品を試したり、触ったり、見たりすることの重要性(5点満点)
s = 代替商品がオンラインで入手可能かどうかの度合い(5点満点)
(筆者注:e、t、sは1から5までの点数となっているが、以下の表ではs = 0も使われている。)

その結果は以下のとおり。

レストラン(0.87)、ホテル(0.87)、スパ(0.87)、フィットネス(0.93)、配管業(0.87)、医者(0.73)、歯医者(0.87)などのリアル性の高さが目立つ。逆にネット性が高いのは書籍(0.27)、音楽(0.27)などが代表的だ。

上記の結果を市場規模に換算すると以下のとおり。

トータルの米国の市場規模はネット販売が8160億ドル、リアル店舗が2兆4210億ドルで、リアル店舗はネット販売の3倍の規模だ。

同氏は結論として、技術革新の次の波はいかにしてオンラインで体験を提供するかということよりは、いかにして体験の質を高めるかということが重要になるので、そういう意味ではリアル店舗はなくなるどころか、ネット販売よりも小さくなることさえ当面はありえないとしている。

確かに、世の中からリアル店舗がなくなりネット販売だけになってしまったら、どんなに味気ないことか。

デトロイト郊外ノースビル市のダウンタウン商店街

 

 

 

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