脳波で認証するシステム

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セキュリティの高い生体認証システムがまた1つ登場した。脳波で認証するというもの。将来はパスワードを入力しなくても、思い浮かべるだけで認証ができるようになる。

これを開発したのはUCバークレー情報学部のJohn Chuang教授が率いる研究チーム。脳波センサーの付いた市販のヘッドセット「MindSet」(NeuroSky製、99.99ドル)を使用する。

脳波センサー付きヘッドセット(NeuroSkyのWebサイトより)

指紋認証や網膜認証などは装置が高かったり大掛かりになったりするところがネックだが、この脳波認証システムは装置が手軽に入手できることがメリットだ。

脳波は人によってそれぞれ違い、同じ言葉を思い浮かべても人によって脳波が違うので、セキュリティのレベルは高いようだ。

思い浮かべるものはパスワードにできるような文字や数字でなくてもいいはずだ。たとえば動作とか、もっと抽象的なものでもいいし、何も考えなくてもいいはずだ。

ただ認証のためにはその都度同じ脳波を出さなくてはいけない。意識的に同じ脳波が出せるものかどうか。同じものを思い浮かべれば必ず同じ脳波が出るものかどうか。その時々の気持ちの状態などによって変わるような気もするが、素人考えではわからないし、興味深いところだ。

同研究チームの実験では被験者に7つのアクションをさせて脳波を調べ、認証が可能かどうかを確かめた。そのうち3つは被験者全員が同じことをし、4つは被験者が各自答えを選んでその行為をするもの。

まず被験者全員が行う同じアクションとしては、自分の呼吸に集中する、指を上下する動作を思い浮かべる、紙の上の点に集中しながら音声信号に反応するという3つ。

さらに被験者によって答えが異なるものとしては、好きなスポーツの動作を繰り返している様子を思い浮かべる、好きな歌を歌っている様子を思い浮かべる、スクリーン上に表示される好きな色のものの個数を数える、好きなことを考えて、そのことに10秒間集中するという4つのアクション。

その結果、上記7つのアクションのどれでも十分認証が可能だということがわかった。さらに、個々に答えを選んで行うのと全員が同じことをするのでは、認証の精度に違いはなかったそうだ。

そこで認証用にはどのようなアクションが最適なのかということになるが、毎日やっても苦にならないようなアクションがいいという。簡単なアクションで、なおかつ飽きないものがいい。

たとえば好きな色のものの個数を数えるとか、好きな歌を歌っている様子を思い浮かべるとか、呼吸に集中することなどは認証用に適しているようだ。逆に好きなスポーツの動作を繰り返すのを思い浮かべるのはあまり適していない。実際に体を動かさずに頭の中だけでスポーツの反復動作を思い浮かべるというのはなかなか難しいようだ。同様に、指を上下するのを思い浮かべるというのも飽きるので、毎日やると苦痛になるようだ。

ところで、脳波認証に必要なヘッドセットは値段的には手軽に入手できるとしても、結構かさばるので、認証目的のためにこれをいつも持ち歩くということになると、ちょっと不便な感じもする。よって本当に認証用に実現するかどうかは確信が持てないが、研究分野としては面白い。いろいろな応用ができそうだ。

たとえばテレビのスイッチのオン・オフや、チャンネルやボリュームを変えたりするのは、心の中で思っただけでできると大変便利だ。念力が身に付いたようなものだ。リモコンを探す必要はなくなる。

ただし、脳波を検知して心の中を読まれるようなシステムには発展しないでほしい。

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