Virgin MobileがiPhone 5を販売


Virgin Mobileが6月28日からiPhone 5を販売する。競合のT-Mobileのサービス内容と比べると・・・

Virgin Mobileのホームページより

Virgin Mobileのサービスはすべて契約なしのプランなので、端末代金が高くなるのがネックだが、iPhone 5に関してはAppleの販売価格よりも100ドル安くする。すなわち、16GBが549.99ドル、32GBが649.99ドル、64GBが749.99ドルになる。

同じく契約なしのT-Mobileと比べてみると、T-Mobileでは端末代金の分割払いも可能だが、一括払いまたは2年間のトータル支払額でみると16GBが629.99ドル、32GBが729.99ドル、64GBが829.99ドル。Virgin Mobileの方が80ドル安い。

料金プランの方はどうかといえば、Virgin Mobileのプランは月々35ドル(音声300分、SMSとデータは無制限、45ドル(音声1200分、SMSとデータは無制限)、55ドル(音声、SMS、データが無制限)の3種類。支払いを自動的に行うオプションを選択すると月々5ドル割引になるので、それぞれ30ドル、40ドル、50ドルとなる。ただしデータが無制限とはいっても、月々2.5GBの上限があり、上限を超えると速度が3G(256kbps)以下に低下する。

一方、T-Mobileの料金プランは、月々50ドル(音声とSMSが無制限、データ500MB)、60ドル(音声とSMSが無制限、データ2.5GB)、70ドル(音声、SMS、データが無制限)で、データ上限付きのものは上限を超えると速度が2Gのレベルに低下する。

よって、まったく同じ条件での比較は難しいが、Virgin Mobileの50ドルプランとT-Mobileの60ドルプランがほぼ同じような条件となり、やはりVirgin Mobileの方が月々10ドル安い。

後はネットワークのカバレッジがどうかも重要だが、Virgin MobileはSprintのネットワークを使っているので、T-Mobileに比べてLTEでは若干先行しているものの、HSPA+を含む「4G」ではT-Mobileの方が優位だ。実際に使う場所によって電波の状態は全然違ってくるので、こればかりは何ともいえない。

そういうわけで、カバレッジはともかくとして、料金的には端末代金も料金プランもVirgin Mobileの方が有利だ。

ところでiPhone 5が出たのは昨年9月のこと。MacRumorsによれば、AppleはVirgin Mobile仕様のiPhone 5をラインアップに加えることを確約していたのに、それから何と9か月もかかっている。どうしてこんなに時間がかかったのかは不明だが、Cricketなど他のMVNOは9月に販売を開始しているので、Virgin Mobileに特有の問題か事情があった可能性がある。

ただ、iPhone 5を先行販売したMVNOがうまくいっているかといえば、そうでもなさそうだ。SlashGearによると、Leap WirelessのiPhoneは期待に反して売れ行きは非常に悪く、6月の時点で1億ドル相当の在庫を抱えることが予想されており、Cricketも今年9月の時点で予定販売台数の半分しか売れない見込みだ。売れる売れないに関わらずAppleからは大量の在庫を仕入れないといけない契約になっており、これが経営を圧迫する。

iPhoneを出せば必ず売れる、というものでもなさそうだ。どうやってiPhoneを売るか、それが問題だ。

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