AT&TとVerizonがT-Mobileの「JUMP!」に追随


T-Mobileがスマホ買替え支援オプション「JUMP!」を7月14日に導入したところ、AT&Tが同様のプランを7月16日に発表、Verizonも8月25日に導入するよう準備しているとの情報が相次いで流れた。

AT&TとVerizonがT-Mobileに追随するという珍しい現象。しかも素早い反応。T-Mobileのアイデアはそんなに良かったのか。

AT&Tが発表したのは12か月毎に買替えができる「AT&T Next」というプラン。端末代金を頭金なしで20回の均等払いをするので機種によって月々の支払額が異なる。たとえばGalaxy S4なら月々32ドル。12か月目を払い終わった時点で希望すれば新しいスマホに買替えができる。その際に今まで使っていた端末を返さないといけないのだが、端末代金の残額を支払う必要はなく、その時点で新規にスマホを購入するのとまったく同じ条件で購入できる。iPhoneなどは毎年新機種が出るので、常に新機種に買替えたいというユーザーにとっては好都合だ。

AT&Tのホームページより

ただしThe Vergeはこれを「ぼったくり」だと酷評している。たとえばGalaxy S4の場合、今までの方式だと2年契約で本体価格が199ドル。2年間で端末代金を少しずつ払っていることになり、月額料金に占める端末代金の金額は定かではないが、だいたい20ドルくらいだろうというのが業界の見方。つまり2年間のトータルで680ドルを支払う計算になる。ところがGalaxy S4のアンロック版はAmazonでは620ドルで買えるので、AT&Tで買うと割高だ。

これがAT&T Nextを利用すると、さらに割高になるとVergeは指摘する。月額料金に占める端末代金をやはり20ドルと仮定すると、12か月後には端末代金が240ドル、Nextの支払額が384ドル、合計で624ドル。12か月後の時点で既に市販価格を超えている。その時点で新しいスマホに買い替えなければさらに損失が拡大する。もし20か月間払い続けたとしたら、支払額の合計は1,040ドルと、とんでもない額になる。

これはユーザーにとっては大きな損失になる可能性がある。すなわちAT&Tにとっては大きな利益になる可能性があるということ。AT&Tがすぐに追随した真意はこれか。

Verizonも同様のプラン「VZ Edge」を準備中との情報を、Droid Lifeが伝えている。こちらはまだ正式発表ではないが、社内訓練用資料が出回っている模様だ。端末の分割払いでは12か月間の均等払いというオプションもあるため、12か月後ではなく、50%を払い終えたら新しいスマホに買替えができるということにするようだ。こちらの詳細は正式発表を待つことにしたい。

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