iPhone 5s/5cの謎


AppleのPhone 5s/5cの発表は、既にリークされた内容とほぼ同じだった(NFC対応ではなかったが)ので、インパクトが弱かったとの声が多い。事前にリークした奴が悪いのだが。それにしても、今回の発表にはいくつか謎がある。

iPhone 5sの「s」が小文字になっているのが謎だ。3GSと4Sは「S」が大文字だった。今回「s」が小文字であることについては、今のところそれほど話題になってはいない。強いていえば、「まさか今回は大画面を導入しなかったので、小さな『s』にしたんじゃあないだろうな」という記事を見かけた程度。

そもそも「s」が何を意味するのかも謎だ。4Sのときは「Steve」の「S」、「Siri」の「S」などと騒がれたが、はっきりとはわからない。今回の「s」については「sensor」の「s」、指紋の「s」(日本語ですけど)という見方もできなくはないが、これも今のところ不明で、あまり話題にもなっていない。これまで1年おきに「S」が付いていたので、当然視されているようだ。

iPhone 5cの「c」が何を意味するのかについては、事前の憶測ではカラフルなので「color」、廉価版なので「cheap」、中国をターゲット市場にしているので「China」などど騒がれていた。ふたを開けてみたらそれほど廉価版ではなく、中国では高過ぎるとの批判も出ている。TechCrunchは、Appleがなぜ5cを導入したのかわからなかったので「clueless」の「c」だと茶化している。本体の色が5色なのは、「5c」を「5 colors」にかけたから、という説明がもっともらしいので、「color」の「c」という説が有力だ。

Appleのホームページより

さらに、今回の新iPhoneの導入に伴い、iPhone 4Sは販売を継続するのに、それより新しいiPhone 5は販売中止になるという方針も謎めいている。5sは見かけは5とほとんど変わらず、5cは中身が5とほとんど変わらないので、5の居場所がなくなったと言えなくもないが、これまでのAppleのやり方からは逸脱している。

前述のTechCrunchは、これはこの前の冬の人事異動でソフトとハードの両方のデザイン担当になったジョニー・アイブ上級副社長が願望を実現した結果だと述べている。彼は色に対しては並々ならぬ情熱を持っている。もし彼がiPhone 5のデザインを担当していたら今回の「5c」にしていたはずだという。

とにかく、iPhoneのネーミングの謎といい、iPadのネーミングの一貫性のなさといい、Appleは謎めいた予測のつかないことをするのが好きなようだ。その理由は謎だ。

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