CoinがあればスマホもNFCもいらない


モバイル決済が急速に成長しているとはいうものの、未だに米国では店舗などでの支払いは従来のクレジットカードやデビットカードが主流だ。財布にはカードが何枚も入っていて膨れる一方だ。だから「Coin」が登場する余地がある。

Coinカードの表面(Coinのホームページより)

「Coin」は複数のクレジット/デビットカードなどを1枚のカードにまとめることができるので、財布がスリムになる。Coinカードの形状は通常の1枚のクレジットカードとまったく同じ。セキュリティのためカード番号は下4桁しか表示されないが、有効期限やCVVもスクリーンに表示される。裏面には磁気ストライプもついていて、署名も表示される。

Coinカードの裏面(CoinのFacebookページより)

これに最大8枚分のカードが登録できる。クレジット/デビットカードだけでなく、ギフトカードやメンバーカードなども登録できる。表面のボタンをタップしてカードを切り替える。通常のクレジットカードとまったく同じように認証端末でスワイプしたりATMやガソリンスタンドの支払機に挿入したりして使うことができる。

「これがあればスマホやNFCはいらない。決済の未来形だ」とBGRが絶賛する。モバイル決済とは路線が違う。最新の技術を使うのだろうが、従来のクレジットカードなどによる支払い方法の延長線上だ。ただ、スマホとも連動するので、スマホが完全に不要になるわけではない。

スマホ用の専用アプリはiOSとAndroidに対応している。クレジットカードなどをまずスマホに登録してからCoinカードに情報を転送する仕組みだ。スマホに登録できるカードの枚数には制限はない。スマホから一定の距離を離れると通知が来たり一定時間離れると自動的に使用不能にしたりできる機能もある。カードをスワイプするたびに通知が届くので、万一の不正使用にも素早く対応できる。

価格は1枚100ドル。今予約すると半額の50ドルで入手できるが、発送は来年夏の予定だ。予約販売で5万ドルを獲得することが目標だったが、TechCrunchによれば11月14日に予約受付を開始して40分で目標を達成してしまった。なかなかの人気だ。

そういえば、これと同じようなカードが以前にも話題になったことがある。ProteanのEchoという製品だ。去年の8月頃発表されて、まもなく製品化されるとのことだったが、遅れているようで、まだ完成していない。今年中には無理のようだ。早々と発表はしたものの、いざやってみたら、なかなか難しい技術だったらしい。

Coinの方は予定どおり進むのか要注目だ。スマホやNFCによるモバイル決済が主流にならないうちに完成させる必要がある。

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