飲酒運転防止システム

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飲酒運転を防止するために、米道路交通安全局(NHTSA)は、ドライバーがお酒を飲んでいると車のエンジンがかからないようにするシステムを搭載したプロトタイプ車を発表した。

米国では血中アルコール濃度が0.08%以上で違反になる。NHTSAでは自動車の3大メーカーなどと提携し、ドライバーの血中アルコール濃度を検出して、この基準値以上だと車のエンジンがかからないようにするドライバーアルコール検出システム(DADSS)を開発中だ。

血中アルコール濃度を検出する技術は、ドライバーの息を解析する方法とドライバーの手指を解析する方法の2通りのアプローチで開発を進めている。このほど発表したプロトタイプ車には、その両方のシステムを搭載している。

NHTSAのDADSS紹介動画より
NHTSAのDADSS紹介動画より

ドライバーの息を解析する方法では、ハンドルの中心部の上側に吸込み口があり、ドライバーの息だけを吸い込んで解析することを可能にする。

ドライバーの手指を解析する方法では、エンジンを始動する押しボタン式のスイッチなどにセンサーを設置し、タッチした指に光を当てて指の皮下における特定の光の吸収度合いによりアルコール濃度を解析する技術を開発中だ。

The Detroit Newsによると、このシステムの開発は2008年から行われているが、プロトタイプ車が発表されたのは今回が初めてとのことだ。ずいぶん時間がかかっている。まだ完成までの道程は長いが、研究開発における重要なマイルストーンは達成したそうだ。

これから数年かけて、まずは商用車と政府関係車両を対象にテストを行う。全車に義務付けられるようになるのはいつのことになるのかも未定だが、これが完成した暁には、今までよくこれなしで運転できたものだと思うはずだとNHTSAの局長が述べている。

一方、このような努力に反対している団体もある。たとえばレストランなどが加盟している米飲料協会(ABI)がそれだ。この団体は血中アルコール濃度の基準を0.05%に引き下げようとしている国家運輸安全委員会(NTSB)の活動にも反対している。

反対派の言い分としては、アルコールが体内に吸収されるまでには時間がかかり、運転中に濃度が上昇することもあるので、DADSSの検出基準を0.08%よりも低くしないと意味がないことになり、結果として、基準を遵守してワインをグラス1杯に抑えている多くの善良なドライバーまでが運転できないことになってしまうというものだ。

こんな反対理由なら解決はそれほど難しくなさそうだ。とにかく善良でないドライバーが車を運転できないようにするのが先決だ。