掃除のプロと顧客を結びつけるHomejoyが7月31日をもってサービスを終了した。
TechCrunchによれば、シリーズC投資ラウンドで十分な資金が集まらなかったという。掃除人が正社員か請負人かで訴訟が多数起こされ、投資家に不安を与えているようだ。
これはライドシェア型サービスを提供するUberも状況は同じだが、Uberはサービスを終了する状況には至っていない。それどころか、新たに10億ドルの資金調達に成功したとも報道されている。
Uberの場合はたとえドライバーを正社員扱いすることになったとしても何とかやっていけるだろうが、Homejoyにはその余力がないと判断されたようだ。
TechCrunchはさらに別の記事で、Homejoyがなぜ失敗したかについて、分析を加えている。
それによると、いくつか理由はあるが、そもそもHomejoyのビジネスモデルは最初から成り立たない運命にあったという。
まず、Homejoyには他のシェア経済ビジネスと違う特殊性がある。サービス提供場所が一般家庭の宅内ということだ。そこに出入りする掃除人には、特に高品質・高信頼性が求められる。
したがって、品質や信頼性を下げるわけにはいかない。もし下げて問題が起これば一瞬にして顧客を失うことになる。
一方、Homejoyは顧客を惹きつけるため、プロによる格安の清掃をモットーにしている。通常利用できる清掃サービスよりは低価格で利用できるようになっている。
Homejoyはさらに25%のマージンを取っている。掃除のプロにとっては、通常提供するよりもかなり低い報酬で働くことを強いられることになる。
この報酬で働いてくれる掃除のプロがいるかどうかも難しいところだが、もしいたとしても、継続的にHomejoyのために働いてくれるかどうか。
そのような掃除のプロがいたとして、一度サービスを提供すると、その掃除人と顧客の間に直接コンタクトできる関係ができてしまう。そうすると、Homejoyを通さずに直接サービスを依頼・提供するということが容易に起こりうる。
というわけで、いずれにしても、Homejoyのビジネスが成り立つ可能性は最初から非常に低かったということになる。
Homejoyはシェア経済型のビジネスモデルでは特殊だとは言うが、他のビジネスでも多かれ少なかれ同じような状況になりうるので、油断はできない。