T-MobileがSimple Choiceプランを増強


T-Mobileは11月10日、アンキャリア施策の第10弾として、特定のビデオストリーミングのデータが無料になる「Binge On」を発表したが、同時にSimple Choiceプランを増強した「Simple Choice Amped」も発表した。

Simple Choiceプランは、音声とテキストが無制限で、データも一応無制限だが高速データは月間の上限があるものもあり、これまでは1GB、3GB、5GB、無制限の4種類だった。今回の改定では高速データをそれぞれ倍増して2GB、6GB、10GB、無制限の4種類にする。

2GBの高速データ込みの基本サービスの料金は今までと同じく1回線目が月50ドル、2回線目が月30ドル、3回線目以降12回線目までが1回線につき月10ドルとなるが、期間限定で4回線目を無料にするプロモーションを実施する。

T-Mobileのニュースリリースより
新プラン(T-Mobileのニュースリリースより)

Simple Choiceプランでは回線ごとに高速データを追加してカスタマイズすることができる。これまでは2GB増やすごとに料金が1回線につき月10ドル追加、すなわち4GB増やすと月20ドルの追加だったが、今回の改定で4GB増やすごとに月15ドルの追加となる。

さらに「Family Match」という新制度も導入する。同一アカウント内の全回線が同じ高速データ量のプランのときに、全回線とも同じ量のデータを増やす場合は、4GB増やすごとに1回線あたり月10ドルの追加となる。

高速データ無制限のプランは今までは1回線の場合で月80ドルだったが、今回の改定では95ドルに値上がりする。

既存プラン(T-Mobileのホームページより)
既存プラン(T-Mobileのホームページより)

今回の改定に伴う既存プランの顧客の扱いについては、基本的には料金はそのままで高速データのみ倍増することになるが、高速データ無制限の顧客にとっては何も変わらないことになる。

今回の改定では高速データ無制限プランで使えるテザリングのデータ上限も倍増する。これまでは7GBだったのが14GBとなる。これは既存の高速データ無制限プランの顧客には適用されない。

既存の高速データ無制限プランの顧客が、もしテザリングを14GBに増やしたければ、新プランのデータ無制限プランに変更する必要がある。すなわち、月15ドルの値上げを受け入れる必要がある。

一部値上げはあるものの、概して、今回の改定により、他社と比べるとかなり安い料金で利用できる。たとえば4回線で1回線につき6GBの高速データが使用できるプランでは、プロモーションのおかげで料金は合計で月120ドル。

他社の同等のプランとしては、AT&Tが4回線で5GBをシェアして月150ドル、Verizonは4回線で6GBをシェアして月140ドル。

それに比べて、T-Mobileは4回線で月120ドルと安い上、1回線につき6GBの高速データが使えるので4回線では合計24GBが使えることになる。T-Mobileが断然有利だ。

T-Mobileへの顧客移行はなかなか止まりそうにない。