小型ドローンのZanoが飛行不能に

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Kickstarterでの資金調達プロジェクトで大成功を収めた超小型ドローン「Zano」が飛行不能に陥った。

手のひらに乗る位の超小型サイズながら、HDビデオが撮影でき、被写体の人物を自動的に追尾でき、障害物を自動的に回避して飛行し、Wi-Fiが届かなくなったら自動的に戻ってくるという、スマートで高性能なドローンだ。

これを開発していたのはTorquing Groupという英国の会社。2015年1月にKickstarterで12,000人の支持者から340万ドルの資金を集めた。英国最大のKickstarter成功案件と評された。そのときは製品はほぼ完成していて、あとは量産してコストを下げるための資金が必要と説明していた。

当初7月に発送される予定だったが発送されず、8月から順次発送を開始することになったと説明し、9月にはKickstarterの支持者全員に発送する予定と発表。

8月になっても発送されず、検証中に予期しなかったマイナーなソフトウエア上の問題が見つかったので、量産前の最終テストが少し遅れる見込みと発表。

9月半ばには、発送先の最終確認をしていると発表し、今が発送先を変更する最後のチャンス、以後は発送先の住所変更ができないのでご注意を、と案内していた。9月下旬にようやく発送を始めたと発表。

10月半ばには進捗状況の報告があり、既に発送した600台のうち10%以下の製品に問題があった旨とその解決方法と、以後1日200台、1週間に1,000台のペースで生産可能になったと発表。

そして突然の悪い知らせ。

BBCが伝えるところによると、11月10日に同社の前CEOのIvan Reedman氏が突然辞任した。辞任の理由は「健康上の問題と和解しがたい不和」という何とも意味深長で具体性のない理由。

昨年、同社に新たな出資者が乗り込んできたときに、同氏はCEOから研究開発部長に降格になった、という動きも不穏で不自然だった。

11月18日には破産申請をすることにしたと発表。そして11月24日にはKickstarterの支持者は購入者でも出資者でも債権者でもなく、何の権利もないので、債権者集会に来ても入場できないと通告。

事業に失敗はつきものではあるが、本件は事業が失敗したのではなく、最初から巧妙に仕組まれた詐欺だとの声も上がっている。Kickstarterの支持者に返金させるため、Change.orgで署名集めも始まった。

Change.orgより
Change.orgより

確かにみんなある程度リスクを覚悟して支持者になっているはずだが、詐欺となれば話は違う。きちんと調査をして支持者が納得するような説明をしないと済まないだろう。

Kickstarterどころかクラウドファンディング全体の存在を揺るがせかねない事件だ。