GMが新たなカーシェアリングを発表


自動車メーカーのGMが「Marven」という新しいカーシェアリングサービスを発表した。

カーシェアリングはすでに多数ある中で、今から参入するからには先行者にはないよほどのメリットと勝算があるに違いない。

何しろ、自動車業界の専門家に加えて、Google、Zipcar、Sidecarから引き抜いた人材が結集して作り上げたサービスだ。

カーシェアリングはライドシェアリングの仲間として括られることが多いが、ライドシェアリングは人の運転する車に乗せてもらうものであるのに対し、カーシェアリングは車を借りて自分で運転するもの。

よって、カーシェアリングはライドシェアリングというよりはレンタカーに近い。レンタカーよりも短時間の利用が基本だ。

GMの新しいカーシェアリングは、手続きがスマホで簡単に済むのがメリットだ。レンタカーのようにカウンターで手続きをする必要がない。

Marvenのホームページより
Marvenの利用手順(Marvenのホームページより)

スマホで予約したら直接車のある場所へ行き、車に乗って、車を返して、スマホの「終了」ボタンを押すだけだ。今のところは借りたところへ返す必要がある。

スマホで車を検索したり予約・支払いができるほか、エンジンをかけたりドアロックを開閉したりもスマホでできる。4G LTEでネットにつながっており、車内Wi-Fiも使える。

車種はGM製であるのは当然。GMの車載システム「OnStar」を搭載しているのはもちろんのこと、Apple CarPlayにも対応し、SiriusXM衛星ラジオも付いている。

自分の好みの音楽の情報が車にも引き継がれて、車に乗れば自分の好きな音楽が自動的に流れるといったことも可能だ。初めて乗る車でも、まるで自分の車のように使える。

最低1時間から、最大4日間まで連続で借りられる。料金は小型車で1時間6ドル、1日42ドル、中型車で1時間8ドル、1日56ドル、大型車で1時間12ドル、1日84ドル。ガソリン代が無料で、自動車保険も料金に含まれているのが大きなメリットだ。

メンバーになるために会費などは(今のところは)かからない。会費無料は期間限定となっているので、そのうち有料になる可能性はある。

まずはミシガン州アナーバーでサービスを開始した。当初はミシガン大学の学生や教職員が対象だ。ニューヨークで開始した同様のカーシェアリングサービスも拡大する。第1四半期にはシカゴでも始める。

最近ライドシェアリングやカーシェアリングの台頭で、車に関わる消費者の行動に重要な変化が生じている。一般的にはこれは自動車メーカーにとって脅威であると考えられるが、GMはこれをビジネスチャンスと捉えている。