車のリースをシェアするというアイデア


車のリースを複数人でシェアできるサービスをFordが試行的に開始すると発表した。

最近は実にいろいろなものがシェアされている。車に関しては、ライドシェアリングやカーシェアリングがトレンディだが、リースをシェアするというのは聞いたことがなかった。アイデアとしてはわかるが、果たしてうまくいくのか。

TechCrunchによれば、Fordが車の24か月リースを3人から6人でシェアできるサービスをテキサス州オースチンで試行提供すると発表した。「Ford Credit Link」というサービス。

車をあまり使わない人たちは、複数人でシェアすればコストが安く済み、効率的に車が使えるというメリットがあることは、理屈としてはわかるが、実際上うまくいくのかは疑問だ。だからこそ試行提供をしているのだろうが。

使いたいときに使えないとか、特定の人ばかりが使って不公平とかいう問題が起こりそうな気がする。誰がいつ使うかというスケジュールの調整や、コスト負担をどうするかなどをきちんと決めてスムーズに行う必要がある。

Fordのリースシェアリングはそれをスマホのアプリで簡単・便利にできるようにしようということらしい。メンバー同士のメッセージのやり取りもアプリを通じてでき、誰も使っていないときには車の所在地もアプリでわかるらしい。

Ford Credit Linkのホームページより
Ford Credit Linkのホームページより

まずは車をシェアしたい人たちでグループを組む必要があるが、メンバーをどうするかが問題だ。これは車の置き場所の関係上、近所に住んでいる人たち同士の方が都合がいいだろう。ある程度信頼の置ける人でないと心配だ。

家族の間であればこんなアレンジなど不要だろうから、家族ほど親しくなく、赤の他人ほど疎遠でもないような人が対象になりそうだ。家族の間でもきちんとスケジュール管理やコスト分担をしたければ、もちろん使っていけない理由はない。

基本的にはグループのメンバー全員がリースの契約者になるので、リース料の支払責任はメンバー全員に同じようにかかってくる。実際上誰がどうやって支払うかはグループ内の話し合い次第だ。支払うべき人が支払いを遅延したり怠ったりすると、他のメンバーに迷惑がかかる。

このサービス、第一印象ではあまり利用価値がなさそうに思われたが、だんだんとこれは使えるかもしれないと思えるようになってきた。

例えば同じアパートに住む住人がグループを組むというのはありえる。あらかじめ大家さんが手配して住人が使えるようにしておけば、アパートに付加価値が付いて、借り手もつきやすいのではないか。カーシェアリング付きのアパートが簡単に実現できることになる。

また例えば、大人数が乗れるバンや大きい荷物を運ぶことのできるピックアップトラックなどは、常時使うものではないので、近所に1台あればいい。必要なときだけ予約して使ってコストを分担するアレンジが簡単にできれば便利だ。

そのためには、最低3人などの人数制限があるのは困る。最初は1人でもスタートできるようにし、後からメンバーを自由に追加・変更できるようにすれば便利ではないか。できればFord車に限らず他社メーカーの車でも、またリース車に限らず購入した車でも利用できるようにしてくれればありがたい。

仲間内でのカーシェアリングが簡単に実現・運営できるツールになりそうだ。