AT&Tが乗り換えコスト負担で他社と横並び


AT&Tが他社から乗り換えた顧客に、他社の早期解約料などを含め最大650ドルを支払うと発表した。これで乗り換えコスト負担では4社がほぼ横並びとなった。

AT&Tのホームページより
AT&Tのホームページより

2014年1月にT-Mobileが「アンキャリア」の一環として「Contract Freedom」と称し、他社の契約に縛られている顧客を救い出す作戦を敢行した。他社からT-Mobileに乗り換えて電話番号をポートインすると、1回線につき他社の早期解約料を最大350ドル、既存端末を下取りに出すことで最大300ドル、合計で最大650ドルを返金するというもの。その後、各社が追随や対抗の施策を打ち出して、顧客の奪い合いが活発化した。

Sprintは2015年3月には、「乗り換えてくれるならいくらでも払う」とまで言い出した。「いくらでも」と言っても、乗り換えに伴って他社に支払った早期解約料や既存端末の残債が対象なので、自ずと限度がある。たとえば既存端末がiPhone 6s Plusの128GBで、買って間もないものであれば900ドルくらいの返金額になる可能性があるが、通常は650ドル以内に収まるものと思われる。

T-Mobileはさらに2015年3月、「Carrier Freedom」と称し、早期解約料だけでなく既存端末の残債も含めて最大650ドルまで負担すると発表した。下取りに出した既存端末の買い取り価格は別途返金されるので、この650ドルからは差し引かれる。すなわち下取価格も含めてトータルで650ドルの返金となる。

Verizonも2015年12月に追随して、乗り換えで1回線あたり最大650ドルを支払うと発表した。乗り換えに伴って他社に既存端末の残債を支払った場合は最大650ドル、早期解約料を支払った場合は最大350ドルがプリペイドカードの形で返金されるというもの。

Verizonの場合も下取りに出した既存端末の買取価格は別途返金されるので、その分は650ドルまたは350ドルの返金額から差し引かれる。結局は端末の買取価格も含めてトータルで最大650ドルまたは350ドルの返金となる。

AT&Tの顧客奪回活動はこれまで控え目で、乗り換えで番号をポートインすると100ドル、端末下取りで最大200ドル、合計で最大300ドルの返金といったものだった。DirecTVの顧客にだけは合計で500ドルの返金といった優遇措置も実施していた。

今回のAT&Tの施策は、早期解約料または既存端末の残債の実費を、最大650ドル返金するというもの。下取りに出した既存端末の買い取り価格が差し引かれるので、結局は下取り価格も含めてトータルで650ドルを限度として返金するというもの。

要するに、乗り換えコスト負担についてはどのキャリアも同じようなものになった。