T-Mobileがモバイルマネーサービスを縮小する動きを見せている。
TmoNewsによれば、T-MobileのVISAプリペイドカードに関して、T-Mobileのショップでは3月11日から新たなカードの購入ができなくなり、さらに4月11日からは既存カードのリチャージもできなくなるという。

T-MobileのVISAプリペイドカードは、単に通信事業者が発行したプリペイドカードというだけでなく、T-Mobileのモバイルマネーサービスという意味合いがある。
このプリペイドカードは電話や通信サービスの専用カードというわけではなく、通常のデビットカードやクレジットカードと同じように、VISAカードが使える店舗やオンラインなどで普通にショッピングに使えるもの。
このカードはT-Mobileの顧客でなくても購入して利用することができるが、T-Mobileの顧客であればカード利用時の各種手数料がかからないというメリットがある。

そのコンセプトは、「アンキャリア」をプリペイドカードにも適用すること。
巷のプリペイドカードは、例えばATMで現金を引き出すときの手数料、残額不足のときのオーバードラフトチャージ、月間維持管理料など、何かと手数料がかかる。自分のお金を使うのに、なぜ手数料を払わなければならないのか。
T-MobileのVISAプリペイドカードはこの不合理を解消する。その上、銀行口座を持てない人にとっては口座替わりにもなる。米国で銀行口座を持っていないと、チェック(小切手)を受け取ったときの換金がとても不便だ。換金業者に高い手数料を払って換金してもらうしかない。
T-MobileのVISAプリペイドカードでは、受け取ったチェックをスマホのカメラで撮って手数料なしでカードにリチャージすることができる。非常に利用者の立場に立ったカードだ。
そのカードが新たに購入できなくなったりリチャージできなくなったりするのは、導入のコンセプトに反する。
なおリチャージは、「Reloadit」というスーパーなどで販売しているプリペイドカードのリチャージパッケージを購入することで引き続き可能だが、T-Mobileのショップでないとリチャージする際に手数料がかかるというデメリットがある。
せっかく利用者にとっての不合理を解消したところだが、会社にとっての合理化も進めないといけなくなっているようだ。