Instacartが配達人の報酬を引き下げ


グロサリーのデリバリーを手がけるInstacartが配達人の報酬を引き下げた。

iTunesのInstacartアプリページより
iTunesのInstacartアプリページより

The Wall Street Journalによると、配達だけをする「ドライバー」の報酬は、今までは1か所につき4ドルだったのが1.50ドルになった。賃金の63%カットということになる。

お店で買い物をして配達をする「ショッパー」の報酬は、品物1点ごとの手数料が今までは50セントだったのが25セントになった。これは50%カットだ。その代わり、1回ごとの基本報酬が今まで5ドルだったのが7.50ドルに引き上げられた。それでも全体としてかなりの報酬減になると見られている。

例えば20点の品物の買い物をして配達する場合のショッパーの報酬は、今までは15ドルだったのが、これからは12.5ドルになる。

この他に、顧客からチップを受け取った場合は、その100%がドライバーやショッパーのものになる。

チップを含めると、少なくともショッパーの場合で時給15-20ドル、ドライバーの場合で時給18-20ドルの稼ぎにはなるので、問題はないだろうとInstacartは見ているようだが、これではチップ頼みのビジネスモデルではないか。

ところでInstacartは昨年12月に顧客向けの配達料を値上げしている。1回あたりの配達料は配達の時間枠が2時間の場合で3.99ドルだったのを5.99ドルに値上げ、1時間の枠の場合は5.99ドルだったのを7.99ドルに値上げした。

さらに一定の条件で配達料が無料になるInstacart Expressの年会費も99ドルから149ドルに値上げした。

つまり、顧客向け料金を値上げした上に、配達人の報酬を引き下げるという、ダブルの収益改善策だ。

こうでもしない限りビジネスが存続できないとの、相当切羽詰まった感じが伝わって来る。