日経サイトのリンクポリシー、5日以来、ツィッターで話題になってますね。はてなブックマークでも炎上状態。火の元はスラッシュドットジャパンのこの投稿。追随したライブドアニュースの記事はこれ。一言で言うと電子版という装いの新しさと裏腹に「個別記事へのリンクを禁止」しているうえ、「違反した場合、損害賠償を請求することがあります」とするリンクポリシーが時代錯誤じゃないかとボロクソに叩いているわけです。

一部に、電子版以前のリンクポリシーをそのまま載せてるだけじゃないか、と弁護する意見もありますがそれは違います。というのは、電子版移行直前にたまたま各社のリンクポリシーをざっと見て回ったことがあるのですが、その時は、日経のリンクお断りの項目は3つで、その中の一つが直リンク禁止で、あと2項目は営利目的だったり、リンク先のサイトの一部に見えるような形式の二つでしたが、電子版では「日本経済新聞社の事業に支障をきたす恐れがあるリンク」という項目が加わっていますから、日経電子版移行にあたっては改めてリンクポリシーを精査したことが分かります。

ちなみに、大手紙のサイトポリシーをざっとまとめると、いずれも営利目的でないことを前提に、毎日、産経は直リンクOK、朝日は「原則自由」としながら「リンクを張った際は、そのホームページの内容とアドレス及びリンクの趣旨、お名前、ご連絡先、下記の注意事項を了解した上でリンクした旨などを記載し、お問い合わせフォームからお知らせください」と、ありえない要求を載せています。同様、読売の「個別記事へのリンクは原則としてお断りしております。特別な理由がある場合は、その理由を付して読売新聞社の了承を得てください」も現実は別として原則は直リンク否定派。

一体、今どき、リンクを張るために連絡する人がいることなど考えにくいですが、一昔前、どの新聞社も直リンク禁止で足並みが揃っていた頃に実際、馬鹿正直に連絡した友人がいました。病院と医者とのマッチングビジネスをしていたのですが、ビジネスとは直接関係のない医師向けの無料メールマガジンを始め、そのコンテンツとして新聞社の医学記事を紹介したいと考えたのです。彼は、医師に最新情報を提供することには公共的な意味もあるので無料なら嬉しいが、必要なら料金を払ってもよいとも思っていました。しかし、新聞社側は料金については答えず、ただ「直リンク禁止」の原則だけを盾にリンクを断ったのです。彼はそこで嫌気が差してコンテンツに新聞記事を使うことをやめてしまいましたが、料金問題などの面倒を避けるために直リンク禁止の原則論で押し切られたという印象を持ったようでした。もし、強行していたらどうなったんでしょう? あるいは、最初から連絡なしで直リンクを張っていたらその新聞社はどう出たんでしょうか?

あれからもう10年以上経ってますが、いまだに直リンク禁止を掲げる真意はなんでしょうか。それより、なぜ「営利目的」だと、ハナからリンク禁止なんでしょうか。営利目的なら相手からちゃんお金を取ればいいはずでしょう? ただでさえ新聞社のサイトは儲かってはいないんですから。サイト有料化で勝負に出た日経なら、コンテンツを最大限生かして営利目的な相手にも課金してリンクさせてあげても良さそうですが。まさか個々の記事についてリンク料金をイチイチ決めるのが面倒だから「直リンク禁止」「営利目的禁止」というお題目を残してるわけじゃないと思いますが・・・・