今朝の新聞を見て仰天。WikiLeaksのジュリアン・アサンジ(Julian Assange)氏をスウェーデンの検察当局が強姦容疑で指名手配した、とあるではありませんか。(こっちは川向うで最終版じゃないのです。最終版では逮捕状を取り下げたとなったようですね) アフガン戦争に関わる機密文書を大量に公開して米軍に睨まれている状況だけに、「陰謀臭い」といえば言えますが、あまりに臭すぎてありえない展開で???何なんでしょう。

事実関係はどうなのか。スウェーデンのタブロイド新聞というExpressenの記事をgoogle翻訳の英語で見ることが出来ました。ちょっと翻訳も怪しいのですが、要約すると、アサンジ氏は講演のために最近、ストックホルムに来ていた。題は「戦争の最初の犠牲者は真実である」というもの。で、金曜夜に強姦容疑の逮捕状が出たとストックホルム検察の次席検事が確認したというのです。関係者によると二人の女性は知り合いで、一人は先週土曜から日曜にかけて、もう一人は火曜の朝に同じ経験をしたのだとか。

ところが、検事は逮捕状が出る一時間前にストックホルム警察から、20歳代の女性二人がアサンジ氏に暴行されたとする情報を得ただけで、「私はその女性に会ってないので詳細はなにも言えない」と答えています。普通、逮捕状というものは裁判所が出すもので、それにはしっかりした根拠が必要です。しかし、報道によれば「検察」が指名手配し、そして翌日、検察が取り下げたとあります。フシギな展開です。

実はアサンジ氏はスウェーデン訪問で、秋の選挙で議席を目指すPirate Party(海賊党?)の党首と先週の日曜日に会い、海賊党がWikiLeaksのサーバーに責任を持つことで合意し調印したそうです。これを報じたTorrentFreakによれば、もし、海賊党が議席を得たら、政府機関内でサイトが持てることになるそうで、そうなるとスウェーデンでは議員の不逮捕特権があるのでサーバーが外部から守られるかも、と書いています。これがらみ??? でもこれもミエミエ過ぎて・・・

アサンジ氏本人は日本時間で昨日の午前中にTwitterで「the charges are without basis and their issue at this moment is deeply disturbing」とつぶやいていました。で、WikiLeaksのOfficial Blogには21日付けで「WikiLeaks Team」名で、「この強姦の申立の深刻さを深く認識し、彼を全面的にサポートし,汚名を晴らす一方で、WikiLeaksは通常の仕事を続けるだろう」と宣言しています。

なぜわざわざ「WikiLeaksは通常の仕事を続けるだろう」と付け加えたのか。実は21日朝のWSJ(ウォールストリート・ジャーナル)がWikiLeaksにとって気になる長文の記事を書いていました。これは7月末にWikiLeaksが公開した7万6千点に及ぶアフガン機密文書の残り1万5千点も近々公開するとアサンジ氏が公言していることに対し、米国の司法当局や国防総省がそれを阻止するために、どうやらアサンジ氏の訴追に本腰を入れだしたのではないかという観測記事です。

その一例としてWSJの記事では、国防総省の顧問弁護士が最近、WikiLeaksの弁護士に書簡を送りつけたことを紹介しています。その内容は「WikiLeaksは米国の法律に違反する状況で機密文書を入手したというのが国防総省の見解であり、この機密文書を保持する限り法律違反状況は継続している」とあったそうです。アサンジ氏が外国人(オーストラリア人)であり、強く出れば報道の自由とも絡みかねない問題だけに表向きの捜査は進んでいないように見られましたが、ここへ来て当局も姿勢を変えてきたとも受け取れます。これに対して、WikiLeaksは「圧力に屈しないぞ。残り1万5千点の機密文書も予定通り公開するぞ」と宣言したわけですね。

関係者によると、この機密文書を流したのが、以前、このブログでも紹介した米軍のアパッチヘリからの乱射事件映像をWikiLeaksに流したのと同じBradley Manning特技兵ではないかとの見方が強まっていて、そうなるとWikiLeaksがビデオ映像を入手後、Manning特技兵に圧力を掛けたり励ましたりして機密文書を盗ませたという容疑を構成するのではないかという見方も高まっているそうです。こうした動きとスウェーデンでの強姦容疑がどうつながるかは皆目分かりませんが、偶然にしては出来すぎている感じがないでもない。フシギ、奇々怪々。