日本では現職の特捜検事が証拠隠滅で逮捕され大ブーイングですが、米国では同じ21日に、地方検事がカルフォルニア州ベル市の前・行政責任者(city manager)ら8人を逮捕・起訴して大喝采のようです。

これはこのブログの8月16日付け「退職年金88万ドル!!! 月額623万円ですぞ!!!」で紹介した件で、そこでは「検察も動き出しましたが、手続きに不正がなければ訴追される可能性は極めて薄そうです」なんて余分な見通しを書いちゃいましたが、大外れでした。スミマセン。

詳しくは8月16日のブログを読んで頂ければ分かりますが、簡単に言うと、ロサンゼルス近郊ベル市の行政を請け負っていたRobert Rizzoなる55歳の人物のサラリーが88万ドルって高すぎないか!とロサンゼルスタイムスが火を付けたのが始まり。女性の補佐役が38万ドル、警察本部長が46万ドルと法外なことも分かり、人口3万7千人、ヒスパニック系が多く所得も低い人の多いベル市は一気に大騒ぎ。結局この3人は辞任しましたが、サラリーの他にとんでもない優遇条件が契約にあってRizzoマネージャーの実際の報酬は154万ドルで退職年金は88万ドルになり、本部長殿も実際の報酬はサラリーの倍で年金は40万ドルになる計算でした。

そこで検察が動き出し、ロサンゼルスタイムスによるとついにさる21日にRizzoマネージャー、その補佐役、ふたりの専横を許した市長のほか、米国の市議会議員としては破格の10万ドル近いサラリーのほかphantom meetings(架空の会議)名目で巨額の公金を手にしていたとして現職3人、前職2人の市議会議員、計8人を逮捕したというわけです。捜査してきた検事は「かれらは公金を自分の貯金箱のように扱い、そして横領した」「まるで(筋肉増強剤の)ステロイドを使った汚職だ」と指弾しています。Rizzoの容疑は53件に及ぶとか。しかし、Rizzoと一緒に辞任した警察本部長は逮捕されませんでした。「高すぎる給料をもらうことは犯罪ではない」とのことです。ただし捜査は続行中とか。なんだかなあ・・・。それと、Rizzoらの法外な年金はどうなるんでしょうか。

で、ついでにそのお役人の年金ですが、Rizzoや警察本部長のケースは異例中の異例だとしても、米国のお役人はどうやら年金では日本とは比較にならない額の年金を貰う人が少なくないようです。ロザンゼルスの北にあたるKern郡の退職公務員協会が先週、初めて退職年金の実態を公表してその一端が明らかになったのです。

それを伝えたBakersfield Californianによると、Kern郡役所関係では6512人が退職年金を受けていて、10万ドル以上が144人、5万ドル以上が1065人に達するということです。パーセンテージでいうとそれぞれ2.3%と17.3%。地方公務員のざっと20%が5万ドル以上の年金をうけているわけですね。Kern郡の中心都市であるベーカーズフィールド市の退職者の場合は、5万ドル以上が28.2%に達します。

今は円高ですから日本円換算にすると大したことがないように思えますが、実際は5万ドルというのは米国では使いでがあります。で、もっと驚くのが人によってはベラボウな年金を受けていることです。例えば郡関係のトップは元の消防本部長でなんと23万2千ドル。以下、郡役所顧問、郡水道局GM、保安官などが並び10位で15万6千ドル強です。ベーカーズフィールド市でも警察本部長や消防本部長などがずらりと16万ドルから12万ドルのリストに名を連ねています。日本では考えられないお役人天国ですね。これがカリフォルニア州の財政破綻とどうつながっているかは知りませんが。

(追記)今朝23日の新聞各紙でも報道していますね。読売新聞のサイトには元記事の3分の2ほどがアップされています。