米大リーグではワールドシリーズに向けてのプレーオフが始まり、日本でも明日からパ・リーグのクライマックスシリーズが始まります。ご贔屓チームがある方はテレビ中継で手に汗を握ることもあるかも知れませんが、そのテレビ放送で選手が実際にプレーする時間はコマーシャルの時間を除いた放送時間の1割程度に過ぎないというちょっとビックリデータが明らかになりました。CM時間まで考慮するとプレー時間はたったの8%ほどです。
これはウォール・ストリート・ジャーナル電子版のスポーツ面で報じられたもので、ジャーナルのスタッフがストップウォッチを持って実際に計測したとのことです。その「プレー時間」の定義は「投手が足を上げて投球に入る時」にスタートし、ストップするのは「投球が捕手のミットに収まり球審がコール」するまでか、「球を打った打者が動きを止める」までで、盗塁やピックオフプレーなどの動きも計測したとのこと。
その結果、プレー時間はCM時間(合計42分間)を除いた放送時間128分の内、14分(10.9%)に過ぎないことが判明したというわけです。ちなみにこの数字は初めてテレビで完全中継した1952年のワールドシリーズでの13分とほとんど違わないとのことです。(どうやって計測したかは不明。ビデオなんかなかったろうし。フィルムに撮ってあるんだろうか)
じゃあ、あとの時間、テレビ画面は何を映していたのかというと、最長が「standing around」、つまり選手がなんとなく突っ立ているような状態が68.6%で時間にして88分!!!。また、リプレーが7.5%の10分で、その他、監督、ダグアウト、スタンドのファン、アナウンサー、ブルペン、投手交代などのシーンが合わせて16分でした。
この数字だけ見ると、野球って実際のプレー時間が極端に少ないスカスカゲームのように見えますが、ジャーナルはアメリカンフットボールNFLの試合も計測、MLBと比較した結果、そんなに大差がないことも発見しています。NFLのリプレー時間はMLBのほぼ倍にあたる14.5%ですが、実際のプレー時間は放送時間の9.4%、standing aroundは58.5%という数字は野球と似通っているように見えます。ちょっと変わっているのが、アメフトではヘッドコーチを映す時間が長いということです。野球の監督を映す時間より40%もです。アメフトの方が個々のプレーのオプションが多くて、ヘッドコーチの采配が試合を左右することが多いからでしょうか。
そこで、アメフトヘッドコーチのサラリーに関わる話。ハワイ限定のローカルニュースサイトとして、いきなり有料制でこの5月にスタートしたCivil Beat(CB)のその後をウォッチしていて発見したニュースです。
CBによると、州立のハワイ大学で最も高いサラリーを取っているのは同大フットボール部ウォリアーズ(Warriors)のヘッドコーチ、Greg McMackin氏でした。金額は110万ドル。ハワイ大教職員で最も低いサラリーの人は事務補助の2万ドル余りなので、その「52人分だ」とCBは報じています。これはCBが情報公開法に基づいて、ハワイ大学の教職員7510人のサラリー一覧を入手した結果、判明したものです。
このマクマッキンコーチ、NFLや他の大学でのデフェンシブコーディネーターやアシスタントコーチなどを経て、2008年1月にヘッドコーチに就任しました。年棒110万ドルの5年契約ですから総額550万ドル!!!。公立大学ですよ。東京大学野球部の監督に大物を招聘して年棒1億円、5年で5億円を東大当局が払うなんてお日様が西から出ても考えられませんが、米国ではアリ。カレッジフットボールが大学にとってビッグビジネスであることを我々に見せつけてくれます。
ピュリツァー賞を何度も受賞しながら倒産したロッキーマウンテンニュースの編集局長だったジョン・テンプル率いるCBはこういう面白いニュースを発掘してくれますが、どうやら有料購読者の確保には苦労しているようです。月間購読料は19.99ドルですが、発足当初は「最初の1か月は4.99ドル」と勧誘していたものが、今は「最初の15日間はo.99ドル」とハードルを下げています。また、記者の数も減らしたようです。(テンプルのブログからそのことに言及した部分がなぜか削除されてるようです) eBay創業者で億万長者のピエール・オミディアが創立メンバーで、ポケットは深いはずですが・・・やっぱり、ネットのニュースサイトの有料化は特徴を持っていても厳しいのかな。
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