今日は1944年の連合軍ノルマンディ上陸のD-Dayの日なんですね。よく映画にもなりますが、その実写フィルムに初めて(多分)出会いました。これです。

米国サウスカロライナ大学のMIRC(Moving Image Research Collections)が4月に開設したブログの最新エントリーで知りました。Fox Movietone Newsの映像で、米軍、英軍、カナダ軍の撮影ユニットのフィルムを合わせたもので6分ほど。上陸用舟艇内の緊迫した表情の兵士たち、上陸後、すぐに撃たれて倒れる兵士、珍しい銀輪部隊の上陸風景、爆撃で荒廃した街中、フランス人の歓迎ぶり、など貴重な映像が続きます。

MIRCのブログでは所蔵する映像を、記念日や発生日に合わせて紹介する方針のようで、5月23日には、「俺たちに明日はない」で有名なボニーとクライドが、1934年、待ち伏せしていた警官隊に殺された日にちなみ、同じくFox Movietone Newsが銃撃戦の現場から、二人の何枚もの写真をはさみ、目撃者が現場のカメラの前で身振り手振りを交えて説明する映像を紹介していました。

で、その先にあったのがこれ。Unidentified Fencing Object?

サムライ姿のガイジンが、居合のようなスタイルで、女性の首の後ろや大きな犬のお腹に載せた人参をバッサリ切って見せています。なかなかの腕前に見えます。これは1976年1月23日に、サウスカロライナ州フローレンスのローカルテレビ局から放映された映像なんだそうですが、サイレント映像なので、この人物が一体何者なのか、どういう話の流れで撮影されたか一切不明なので、何か分かれば教えて欲しいそうです。

いまのところ何もコメントが書き込まれていませんから、まだ不明なままなのでしょう。わずか36年前のことですら、こうした武道の達人がいたことがあいまいになってしまいます。映像があるのにもかかわらず、です。つまらない例かもしれませんが、こんなことからも、テレビ映像を放映時点で、きちんと整理してアーカイブ化する必要を感じます。

数日前の新聞記事で「番組の保存構想 放送局側が批判」というベタ記事を見かけました。国会図書館にすべてのテレビ、ラジオ番組の保存を義務付け、国会図書館内で国民が利用できるように法改正しようという構想が、衆参の議院運営委員会の理事による検討会で合意され、説明会を開いたところ、放送局側が、例によって「権利者保護が図れないおそれがある」などと異論を唱えたというのです。

実は、放送番組のアーカイブ化は欧米諸国ではとっくの昔から行なっています。文科省の文化審議会著作権分科会の5年前の会合配布されて資料に海外の様子が”2003年”時点の資料に基づいてまとめられています。その時点ですでに膨大なアーカイブを構築していました。それから10年近く。現在では、インターネット対応を進めているケースも多いはずです。その意味で、NHKアーカイブス以外、アーカイブがない日本の対応は遅すぎるくらいなのです。

また、ニュース、討論、ドキュメンタリー番組などではトランスクリプトを作るのは当たり前の米国のテレビ局と違って、文字化を怠っている日本の場合は、なおさら番組をアーカイブしておかねば、後世の研究者などにとっても不便なはずです。

説明会を受けた放送局からの意見は明日までに出されるということですが、先の記事は<「あまりに短期間で意見をまとめられない」との声が強く、実現まで紆余曲折が予想される>と結ばれてました。ご紹介した文科省の審議会の議論から5年経ってるんですが・・・・こっちのD-Dayは何時のことやら。

(お詫び)サウスカロライナ大学のアーカイブへのリンク3箇所で手違いがありました。手直ししました。申し訳ありません。