調べものをしていて、たまたま行き当たったのがこのグラフでした。

ネットの世界では有名人、Mary Meekerさんが毎年公表しているInternet Trendの最新版(2013年版、5月29日公開)のスライド28枚目にありました。

細かい字で書かれた脚注を見ると、出典はIosos OTX。今年5月14日に公開されたもので、調査は今年1月に24カ国、1万2千人対象にオンラインで行われたとのこと。

質問は「あなたはどれだけオンラインで自分のことをシェアしますかー社会的な地位や立場の最新情報、感ずること、写真、ビデオ、そしてリンクなどを含めてーというもので、このグラフは「全てをシェアする」「殆どシェアする」と答えた人の割り合いを示したものです。

その中で、日本はなんとダントツのビリというかトップで、わずか4%とあります。世界平均24%を大きく下回る成績です。つまり、世界で(と言っても調査した24カ国中ですが)最も、オンラインでのプライバシーに気を配っている国ということになります。

しかし、いかにMary Meeker女史のスライドとはいえ、ホントかどうか、原典にあたらないと気が済まないのが習い性。早速Iosos OTXのサイトにアクセスしてみました。

同社はフランスのパリに本部を置く、世界的なマーケットリサーチ会社のようです。ごく最近の調査のリリースは分かりやすい場所に載っていますが、ひと月前のOnline sharingに関してはなかなか見つけられません。

しかし、この調査が公表された当時のメディアの記事からリンクを辿って、ようやく、当該調査のプレスリリースを発見し、その生数字が国別に記載されたPDF資料にまで辿り着きました。(とても細かい字なので拡大してご覧ください)

それによると、日本では男性251人、女性249人が回答しています。その中で、「全て(everything)シェアする」は500人中1人なので0%。「殆ど(most thing)シェアする」は20人にとどまり4%だったというわけです。

で、「いくつか(some thing)シェアする」は240人で48%、そして「なにも(nothing)シェアせず」も239人、48%でした。

この資料には、年代別、収入別、学歴別、結婚しているかどうか、経営者かどうか、重役・幹部かどうか、など、様々な角度からその割合を出していますから、関心のあるかたはどうぞご覧ください。(国のシートはABC順に並んで出てきます)

日本の場合をおおまかに言うと、35歳以下のほうが年長者より、いくらかシェアする傾向が高く、nothingの割合が低目です。その一方、収入の高い人の方は、mostがゼロではあるものの、someでは64%と、収入の低い/中程度の人たちの49%/44%を上回っています。学歴別では特に差異は見られません。

日本を離れて、全体を見て気づくのが、ネット先進国だったはずのアメリカが、every thing(3%)とmost thing(12%)の合計が、世界平均を下回る15%にとどまっていることです。先進国だけに、ネットプライバシーについての関心でも先をいっているということでしょうか。

なお世界平均24%の内訳はevery thing6%、most thing18%です。

その一方で、トップはサウジアラビアで、なんと61%もがシェアに積極的です。内訳はeverything28%、most thingが33%です。同国のFacebook人口は300万人、Twitter人口は500万人以上とかで、ソーシャルメディアの新規ユーザーが急速に増えているそうですから、プライバシー侵害への関心がまだイマイチなのかも知れません。しかし、宗教的戒律が厳しく、肌の露出も嫌うような保守的なイメージからすると、意外な感じです。

サウジに次ぐのがインドの53%、インドネシアの50%で、4位は韓国で40%、中国は6位で33%でした。同じアジアで日本と、なぜこんなに違うのかも興味深いことです。(なお、各国の数字入りグラフはこれです)

そこで話は飛躍しますが、個人情報の漏洩に世界一過敏な日本で、日本人も無縁でないはずの米国NSAの大規模な個人情報収集作戦が暴露された件の報道が盛り上がらないのはなぜだろう?